トゥーラ(メキシコ)(読み)とぅーら(英語表記)Tula

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トゥーラ(メキシコ)」の意味・わかりやすい解説

トゥーラ(メキシコ)
とぅーら
Tula

メキシコ中部のイダルゴ州にある、トルテカ文化の中心地とされる遺跡。主要部は約300メートル×600メートルの広さをもつ。約100メートル四方の大広場の東に、ピラミッド形の基壇C、北に戦士の石柱の立つ基壇B、さらにその西に多くの列柱をもつ「宮殿」が位置する。基壇Bの北には浮彫り漆食(しっくい)の壁コアテパントリがあり、そのさらに北に小広場を隔てて長さ60メートルのI字形球戯場がある。大広場の西と南、南西にも球戯場その他の基壇群がある。基壇Bの石柱に彫られた戦士は槍(やり)、投槍(とうそう)器、盾をもち、蝶(ちょう)形の胸飾りその他で身を飾っている。宮殿と基壇Cからは、仰臥(ぎょうが)して上半身を起こし、腹に鉢をのせた人物のチャクモルとよぶ石彫が発見されている。

[大貫良夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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