トガン(英語表記)Ahmet Zeki Velidi Togan

改訂新版 世界大百科事典 「トガン」の意味・わかりやすい解説

トガン
Ahmet Zeki Velidi Togan
生没年:1890-1970

ロシアのバシキール出身のトルコ民族運動指導者,歴史学者。カザン大学卒業後,《トルコ・タタール史》(1912)を出版すると同時に,中央アジアでの研究調査旅行に従事,トルコ民族史研究者としての地位を確立した。ロシア二月革命後,1917年5月の第1回全ロシア・ムスリム大会に参加,バシキール民族主義運動の指導者となり,同革命委員会議長や軍事人民委員を歴任した。20年6月にソビエト政権と決別してトルキスタンに逃れ,同地でバスマチ運動に参加した。22年にアフガニスタン,次いでトルコに亡命し,トルコでは反政府活動に連座してドイツに逃れ,ケマル・アタチュルク死後に帰国した。晩年はイスタンブール大学文学部教授として研究生活に専念。主要著作は《現在のトルキスタンと近代史》(1939),《トルコ全史入門》(1946),《自伝》(1969)。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トガン」の意味・わかりやすい解説

トガン
Togan, Zeki Velidi

[生]1891. バシュクルディスタン
[没]1970.7. イスタンブール
トルコの歴史家。 1912年カザン大学,35年ウィーン大学を卒業。ロシア革命後,ソ連邦内のトルコ民族独立運動を推進し,バシキール政府主席 (1917~20) ,トルキスタン国民委員会主席 (20~23) として活躍したが,やがて亡命し,トルコ共和国移住。 25~70年までイスタンブール大学教授。主著『トルコ全史入門』 UmumîTürk Tarihine Giris (46) ,『史学概論』 Tarihte Usul (50) ,『自叙伝』 Hâtıralar (69) 。

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