トリカルボン酸サイクル(読み)トリカルボンサンサイクル

  • tricarboxylic acid cycle

化学辞典 第2版の解説

TCAサイクル,クエン酸サイクル,クレブスのサイクルなどともいう.動物,植物,微生物に広くみられる生理上きわめて重要な反応回路であり,主として細胞のミトコンドリアに存在する.アセチルCoAオキサロ酢酸とが縮合してクエン酸を生じ,この三塩基酸は図の反応経路に従って変転して,最終的にふたたびオキサロ酢酸を生成する反応である.すなわち,この回路に組み込まれたアセチルCoAのアセチル基は,回路が1回転する間に消滅し,この間脱炭酸および脱水素が行われ,この水素は呼吸系を経て酸素と化合して水となる.このとき,呼吸系によって共役的に行われる酸化的リン酸化によって,多量のエネルギーが獲得される.同回路の生理上の重要性は,
(1)遊離エネルギー獲得と密接な関連を有すること,
(2)生物の三大栄養素,すなわち,糖,脂質,およびタンパク質の代謝系を動的に関連させること,
(3)ほかの有機化合物生合成の素材を供給すること,
などである.回路内の任意の1成分が生合成の出発物質として使用される場合,回路外のほかの物質から回路を介して続けて補給されるわけである.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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