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脂質 ししつ lipid

翻訳|lipid

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

脂質
ししつ
lipid

生体中に蛋白質,糖質とともに存在する物質。エーテルクロロホルムなどに溶ける。加水分解によって変化を受けない不けん化物 (ステロールなど) ,脂肪酸グリセリンあるいは高級アルコールを生じる単純脂質 (脂肪,ろうなど) ,複雑な構造をとり,加水分解によってリン酸,窒素塩基,糖などを生じる複合脂質の3つに分類される。

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デジタル大辞泉の解説

し‐しつ【脂質】

生体の構成成分の一。脂肪・ろうなどの単純脂質、燐脂質(りんししつ)・糖脂質などの複合脂質、およびステロイドカロテノイドなどと性質や構造の似た物質の総称。水に溶けにくく、有機溶媒には溶けやすい。リピド

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百科事典マイペディアの解説

脂質【ししつ】

リピドとも。タンパク質,糖質とともに生体を構成する重要な物質群。かなり広い範囲の多様な物質の総称だが,長鎖脂肪酸やその誘導体・類似体で生体由来のものを一般にさす。
→関連項目カテキン

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栄養・生化学辞典の解説

脂質

 タンパク質,糖質に対して使われる語.定義は必ずしも一致していないが,分子中に長鎖脂肪酸またはそれと類似した炭化水素の鎖をもち,生体内に存在するもの,もしくは生物に由来する物質,とされる.また,水に溶けにくくエーテル,ベンゼン,クロロホルムなどに溶ける物質と定義されることもある.通常,トリアシルグリセロールなど,脂肪酸を分子内に含む物質を指すが,ステロール,カロテノイドイソプレノイドなども広義には含まれる.

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食の医学館の解説

ししつ【脂質】

〈脂質過剰の現代人〉
 脂質はエネルギー源となるほか、細胞膜などの構成成分や血液の成分となったり、ステロイドホルモンを合成したりします。脂質から摂取するエネルギーは全摂取エネルギーの20~25%が望ましいとされていますが、すでに上限を超えているのが現状です。たしかに肥満の弊害が認識され、バターなどの油脂類は敬遠されがちです。肉類に含まれる飽和脂肪酸(ほうわしぼうさん)コレステロール中性脂肪をふやし、生活習慣病を引き起こすおそれがあります。
 しかし魚介類にも脂質は含まれ、これらに含まれる不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)が、生活習慣病の予防、改善に働くとして、注目を集めています。
〈IPA、DHAは脂質のサプリメント
 サプリメントとして市場に出回っているIPA、DHAは、ともに魚の脂肪に多く含まれる多価不飽和脂肪酸です。
 IPAは血小板の凝固を抑制する力が強いうえ、血栓(けっせん)を溶かし、血管を拡張させ、血液中の中性脂肪を減らす働きがあります。このため動脈硬化や心筋梗塞(しんきんこうそく)、脳卒中(のうそっちゅう)を予防します。また慢性関節炎の症状改善にも効果を発揮します。IPAは魚の脂肪以外に、体内でDHAからも合成されます。
 DHAは悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールをふやす作用が顕著ですが、脳や神経組織の発育や機能維持にも重要な役割をはたすため、学習能力の強化、痴呆症(ちほうしょう)の改善が期待されます。
 ビタミンFとも呼ばれるα(アルファ)リノレン酸も、多価不飽和脂肪酸の一種で、血圧、血糖値、コレステロール値を低下させ、生活習慣病の予防に効果があります。また、IPA、DHAの原料にもなります。天然では、シソ油、エゴマ油などの植物油に多く含まれます。サプリメントでは、ブドウ糖を原料にして人工的に生産された高純度のものが製品化されています。これはおもにドリンク剤などに添加されています。

ししつ【脂質】

脂質(ししつ)は体のエネルギー源やホルモン、胆汁(たんじゅう)の材料となるほか、ビタミンA、D、Eなどの円滑な吸収にも不可欠な栄養素です。脂質のうち、動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸(ほうわしぼうさん)は、コレステロールをふやしたり、血液の粘度を高める作用があります。一方、植物性脂肪に多い不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)にはコレステロールを減らしたり、血をサラサラにする作用があります。
 脂質には1gあたり約9kcalと、炭水化物たんぱく質の倍以上のエネルギーがあり、とりすぎは肥満や生活習慣病に直結します。成人の適正な脂肪摂取量は、1日の総摂取エネルギーの20~25%までと考えてください。
 可食部100g中に含まれる脂質の多い食品として、以下のものがあります。バター(無塩)83g、マカダミアナッツ76.7g、マヨネーズ(全卵型)75.3g、クルミ68.8g、牛サーロイン脂身付き(和牛)47.5g、豚ばら肉34.6g。

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典の解説

ししつ【脂質】

三大栄養素のひとつ。生物から単離される水に溶けない(溶けにくい)物質の総称。「単純脂質」、「複合脂質」、「誘導脂質」の3種に大別される。多くの脂質には脂肪酸が含まれており、細胞膜の成分やホルモンの材料などになるほか、エネルギーの貯蔵、体温維持、皮膚の保護、脂溶性ビタミンの吸収を促進などの作用をもつ。不足すると発育の障害や、皮膚炎の原因になることもある。

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世界大百科事典 第2版の解説

ししつ【脂質 lipid】

脂質はタンパク質,糖質,核酸とならんで生体の主要構成成分の一つである。後3者は定義しやすいのに対し,脂質は必ずしも特定の化学構造に基づいて命名されたわけではないので簡単に定義づけることが難しい。1925年,ブルーアW.R.Bloorは,(1)水に不溶で,エーテル,アルコール,クロロホルム,ベンゼンのような有機溶媒に易溶な物質で,(2)高級脂肪酸などを含み,それとなんらかの化学結合をしたもの,または結合を作りうる物質で,(3)生物体により利用されうるものと定義づけた。

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大辞林 第三版の解説

ししつ【脂質】

生物体内に存在して、水に不溶、有機溶媒に可溶の有機化合物の総称。脂肪酸と各種アルコールとのエステルである単純脂質(中性脂肪あるいは油脂、蠟ろう)、脂肪酸・アルコール・リン酸・糖などから成る複合脂質(リン脂質・糖脂質など)、および以上二者の加水分解生成物で水に不溶の物質(脂肪酸・高級アルコール・ステロールなど)やテルペン・脂溶性ビタミンなどの誘導脂質に分類される。リピド。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

脂質
ししつ

水に不溶でエーテル、クロロホルムなどの有機溶媒に溶ける生体成分の総称。構造的に多種類の成分が含まれる。単純脂質と複合脂質に大別され、前者には脂肪、脂肪酸、ステロイドなどが、後者にはリン脂質、糖脂質、リポタンパク質などがある。
 食品分析表では脂質、栄養調査では脂肪というように、脂質と脂肪は食品、栄養の分野ではしばしば同義語として用いられる。食品中の脂質のほとんどは脂肪であるからである。トリグリセリド(中性脂肪、あるいは単に脂肪)はグリセリンに脂肪酸3分子がエステル結合したもので、食用油脂や動物の貯蔵脂肪のほとんどすべてはトリグリセリドである。脂肪酸はすべての脂質の構成成分であり、自然界では遊離型はきわめて少ない。動物の貯蔵脂肪がエネルギー源として利用される際に、アルブミンと結合した遊離脂肪酸として血液を介して各組織へ運ばれる。ステロイドとしては、動物では量的にはコレステロールが主成分で、少量ながらすべての組織の膜構築素材としておもに遊離型で存在する。血清中ではエステル型が多い。そのほか、各種のステロイドホルモンや胆汁酸がある。リン脂質は種々の成分からなるが、グリセリンに脂肪酸2分子とリン酸化された塩基成分1分子が結合した構造のものがもっとも多く、レシチン、ケファリン(セファリン)が代表的である。臓器、脳、神経組織はトリグリセリドよりもリン脂質を多く含んでいる。卵類にも多い。レシチンは乳化性に優れ、食品や医療用に使われる。スフィンゴ脂質は脳、神経組織に多いリン脂質である。イノシトールを含むものもある。糖脂質は動物体内では一般にガラクトースを含んでおり、脳の主要な脂質成分である。
 通常の食用油脂の消化吸収率は95%以上にも及ぶ。脂肪は小腸内で膵臓(すいぞう)リパーゼの作用を受け、大部分はモノグリセリドと脂肪酸となって胆汁酸ミセルに溶解し吸収される。吸収後、小腸粘膜細胞内でトリグリセリドに再合成され、カイロミクロンとしてリンパを経由して血液循環系へ入り、リポタンパク質リパーゼにより加水分解され、脂肪酸の形で主として末梢(まっしょう)組織に取り込まれる。炭素数8、10の中鎖脂肪酸からなるトリグリセリドは膵臓リパーゼや胆汁酸の分泌不良の場合にもよく吸収され、脂肪酸として門脈へ入り直接肝臓へ運ばれるので、よいエネルギー源となる。脂肪は胃内滞留時間が長く、腹もちがよい。
 脂肪は糖質やタンパク質に比べて特異動的作用(食物を摂取したときに代謝量が増加すること。食事をとって身体が暖まるのはこの効果による)が低く、エネルギー効率が高い(1グラム当り9キロカロリー)。したがって重労働や強い運動時の高エネルギー食にはなくてはならない栄養素である。エネルギー源としては各種油脂の効率にはほとんど差はないとみなしうる。脂肪は動物体内では脂肪組織として皮下、性腺(せいせん)、腎(じん)周辺、腸間膜などに貯蔵され、エネルギー銀行の役割を果たしている。脂肪は必須(ひっす)脂肪酸の供給源、種々の脂溶性ビタミン(A、D、Eなど)の担体として重要である。食物の風味とも関係している。日本人は現在1日1人当り60グラム近くの脂肪を摂取しており、エネルギー比で約26~27%に相当し、脂質所要量の上限値を超えている。植物性および動物性の脂肪をバランスよく摂取することが大切である。脂肪摂取量の増加は種々の癌(がん)発生率を高める原因となるとして注目を集めているが、魚油などに含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸は抑制的に働くようである。
 食品中では、食用油脂でもっとも脂質含量が高く、トリグリセリドとして95~98%にも達する。バター、マーガリンも80%程度含む。マヨネーズ、ドレッシング、種実類、豚肉、チーズ、即席麺(めん)、ポテトチップスなども脂質に富む食品である。ハム、ソーセージ、牛肉、大豆製品などにも比較的多い。同じ食品でも脂質含量に大きな幅がある(牛肉では1.5~30%)。魚類では一般に天然物より養殖物で多い。脂質を多く供給する食品は油脂類と肉類で、全体の50%近くを占め、魚介類、卵類、豆類、穀類、乳類がこれに次ぐ。[菅野道廣]
『舟橋三郎・原一郎・山川民夫編『脂質』1~2(1972、73・共立出版) ▽山本清著『ホルモンと脂質の代謝』(1982・共立出版) ▽中村治雄著『脂質の科学』(1990・朝倉書店) ▽五島雄一郎編『わかりやすい脂質代謝とその異常』(1991・日本アクセル・シュプリンガー出版) ▽日本化学会編『脂質の化学と生化学』(1992・学会出版センター) ▽佐藤清隆・小林雅通著『脂質の構造とダイナミックス』(1992・共立出版) ▽小川和朗ほか編『脂質とステロイド――組織細胞化学の技術』(1993・朝倉書店) ▽板倉弘重著『脂質の科学』(1999・朝倉書店) ▽P・リッター著、須藤和夫ほか訳『リッター生化学』(1999・東京化学同人) ▽荻三男著『臨床化学――要点』(2000・近代出版) ▽鈴木信著『データでみる百歳の科学』(2000・大修館書店) ▽板倉弘重ほか著『脂質研究の最新情報 適正摂取を考える』(2000・第一出版) ▽日本生化学会編『基礎生化学実験法第5巻 脂質・糖質・複合糖質』(2000・東京化学同人) ▽川嵜敏祐・井上圭三・日本生化学会編『糖と脂質の生物学』(2001・共立出版) ▽鈴木修・佐藤清隆著『機能性脂質の新展開』(2001・シーエムシー) ▽日本油化学会編『油化学便覧 脂質・界面活性剤』(2001・丸善) ▽渋谷勲著『生体膜脂質の機能を追って――その分子生物学を拓く』(2002・学会出版センター) ▽宮川高明著『脂質ときがたり』(2002・幸書房) ▽尾崎由基男著『血小板と生理活性物質』(2002・金芳堂) ▽奥山治美・安藤進編『脳の働きと脂質』 ▽奥山治美・菊川清見編『脂質栄養と脂質過酸化――生体内脂質過酸化は傷害か防御か』 ▽奥山治美・小林哲幸編『油脂とアレルギー』 ▽高田秀穂・浜崎智仁編『脂質と癌』 ▽柳沢厚生・浜崎智仁編『心臓・脳血管の動脈硬化と脂質栄養』(以上、2003・学会センター関西)』

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