トロロコンブ(その他表記)Kjellmaniella gyrata

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トロロコンブ」の意味・わかりやすい解説

トロロコンブ
Kjellmaniella gyrata

褐藻類コンブ目コンブ科。漸深帯下部の岩上に着生する。茎状部は短く平らにつぶれている。葉状部は楕円形または卵形で,基部心臓形,長さ 30~90cm,幅 20~30cmに及ぶ。薄い革質で粘液腺が発達している。北海道釧路以東に産する。なお,製品の「とろろこんぶ」はマコンブ,ミツイシコンブを削ってつくったもので本種ではない。

とろろこんぶ

こんぶを酢に漬けて軟らかくし,薄く削ったもの。黒とろろ外側の色の濃い部分のみを削ったもので,白とろろ内部の色の淡い部分を原料としたもの。汁物に入れて食用とする。おもに大阪地方で生産される。

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世界大百科事典(旧版)内のトロロコンブの言及

【コンブ(昆布)】より

…褐藻類コンブ科の一群の海藻。日本沿岸では約18種見いだされているが,食用とするのはマコンブLaminaria japonica Areschoug(イラスト),リシリコンブL.ochotensis Miyabe,ミツイシコンブL.angustata Kjellm.(イラスト),ナガコンブL.longissima Miyabe,ホソメコンブL.religiosa Miyabe,ネコアシコンブArthrothamnus bifidus (Gmelin) Rupr.(イラスト),ガツガラコンブL.coriacea Miyabe(別名アツバコンブ),カキジマコンブL.longipedalis Okam.(別名クキナガコンブ),トロロコンブKjellmaniella gyrata (Kjellm.) Miyabe(イラスト),チヂミコンブL.cichorioides Miyabeなどがあり,なかでも前5種がよく利用される。宮城県以北,とくに北海道の外洋に面した干潮線より深い岩礁上に着生する。…

※「トロロコンブ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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