ハンタン(邯鄲)特別市(読み)ハンタン(英語表記)Handan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハンタン(邯鄲)特別市」の意味・わかりやすい解説

ハンタン(邯鄲)〔特別市〕
ハンタン
Handan

中国華北地方,ホーペイ (河北) 省南部の鉱工業都市。4市区のほか同名の県とウーアン (武安) 市から成る。タイハン (太行) 山脈東麓にあり,ツーヤー (子牙) 河の上流フーヤン河にのぞむ。チンコワン (京広) 鉄道が通り,ホワペイ (華北) 平原からシャンシー (山西) 省に入る自動車交通の要地でもある。春秋時代には衛,戦国時代には趙の国都で,漢代には趙王が封じられた。現在の市街は五代に始るが,農産物の集散地にとどまっていた。 1957年南西郊に埋蔵量 300万tといわれるフォンフォン (峰峰) 炭鉱の開発が始り,鉱工業都市として発展。西方のウーアン市にはツーシャン (磁山) 鉄鉱山もある。大規模な鉄鋼工場や綿紡織染色コンビナートがあり,紡績機械,農機具,搾油などの工場も建設されている。南西部のポンチョン (彭城) は,古くから磁州窯の一中心地で,陶磁器工場や研究所があり,日用品,工芸品を製造している。チンコワン鉄道の支線がフォンフォンやポンチョンを結んでいる。唐代の『枕中記』 (邯鄲の夢) で名を知られる。北西郊に漢代の宮殿跡,南西郊に趙王の城址がある。人口 213万 4481,うち市区人口 115万 1670 (1990) 。

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