ハン・スーイン(読み)ハンスーイン

百科事典マイペディア 「ハン・スーイン」の意味・わかりやすい解説

ハン・スーイン

作家,医師。中華民国河南省生まれ。父は中国人技術者,母はベルギー人。ハン・スーイン(韓素音)はペンネームで本名はエリザベス・コンバー。1931年,燕京大学(現・北京大学)に入学,1935年にブリュッセル大学に留学,自然科学を学ぶ。1938年帰国し,四川省成都のキリスト教病院で勤務,中華民国軍人と結婚。1942年処女作《重慶行き》を執筆,1944年にイギリスに渡り,ロンドン大学で医学を勉強し,1948年医師資格を取得するが,夫は国共内戦で戦死。スーインは香港に戻り,クイーン・メアリー病院で医師として勤務した。1952年,英国軍人コンバーと再婚,英領マレー半島に渡り,シンガポールなどで開業医として働く。この間,1952年に発表した自伝的小説《A many-splendoured Thing》(慕情)がハリウッドで映画化され大ヒットし,世界的に有名になる。その後,コンバーと離婚し,インド人軍人と結婚するが死別晩年スイスローザンヌで暮らした。代表作に,半自伝的小説三部作《悲傷の樹》,《転生の花》,《無鳥の夏》(1965年―1968年,邦訳1970年―1972年,春秋社)など。

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