日本大百科全書(ニッポニカ) 「ローザンヌ」の意味・わかりやすい解説
ローザンヌ
ろーざんぬ
Lausanne
スイス西部、ボー州の州都。人口11万5638(2001)。レマン湖北岸に位置するが、本来は北のモン・ジョラ山(901メートル)の斜面の丘陵上に立地した集落で、旧市区にはスイスでもっとも美しいといわれる初期ゴシック様式のノートル・ダム大聖堂(1173年に建造を始め1275年完成)が町のシンボルとしてそびえる。1856年に鉄道の駅が置かれてから市街は湖岸の港町ウシーまで拡大し、急成長した。現在は湖岸に沿ってルナン、ピュリー、プリリーなどの小都市を含み、沿岸12キロメートルにわたる人口集積地域を形成する。市の発展は湖岸の工業化、観光地化に負っており、州内の工業の4割はこの集積地域に集まるが、市内には地形上の制約から工場用地が少ないので、産業人口の3分の2は観光・金融など第三次産業に従事する。
連邦最高裁判所、IOC(国際オリンピック委員会)本部が置かれ、国際会議、見本市がしばしば開かれる。総合大学(1890創立)、連邦立理工科大学(1969創立)があり、外国からの留学生も多い。
[前島郁雄]