翻訳|Lausanne
スイス南西部,レマン湖北岸に位置する観光都市。ボーVaud州(カントン)の州都。人口11万6811(2003)。6世紀末司教が定住し,司教支配下に都市が拡大,発展した。12世紀に住民は自由特許状を得て部分的な自治を享受し,13世紀前半には都市の自治組織が確立を見る。1434年帝国都市となったが,司教と都市との確執が続き,サボイア公家の介入を受けることになった。都市はベルンに救援を求めたが,結果的には1536年以降ベルンの支配下に組み入れられた。同時に宗教改革が実施され,37年に現大学の基礎となる学院も建設された。17世紀前半と18世紀前半に多数の職業技術をもったフランス人亡命者が流入し,産業都市として栄えた。フランス革命の影響を受けると,ベルンからの独立運動の展開をみた。1803年ナポレオン調停条約下にローザンヌを州都とするボーが正式のカントンとしてスイス連邦に加わった。
19世紀初め以来,印刷,金細工,なめし革分野で産業が発達したが,現在は精密機械工業,食品,プラスチック工業が中心になるとともに,交通の結節点として商業の中心地・観光拠点となっている。また,市内にも観光名勝があり,1175年創建の大聖堂はスイスでは最も美しいゴシック建築といわれている。さらに,司教,ベルンの代官たちが居住した15世紀の城,20世紀初頭に建設され,美術館,博物館,ローザンヌ大学を収めているリュミヌ宮殿,レマン湖への眺望が素晴らしい展望台などがある。
執筆者:森田 安一
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スイス西部、ボー州の州都。人口11万5638(2001)。レマン湖北岸に位置するが、本来は北のモン・ジョラ山(901メートル)の斜面の丘陵上に立地した集落で、旧市区にはスイスでもっとも美しいといわれる初期ゴシック様式のノートル・ダム大聖堂(1173年に建造を始め1275年完成)が町のシンボルとしてそびえる。1856年に鉄道の駅が置かれてから市街は湖岸の港町ウシーまで拡大し、急成長した。現在は湖岸に沿ってルナン、ピュリー、プリリーなどの小都市を含み、沿岸12キロメートルにわたる人口集積地域を形成する。市の発展は湖岸の工業化、観光地化に負っており、州内の工業の4割はこの集積地域に集まるが、市内には地形上の制約から工場用地が少ないので、産業人口の3分の2は観光・金融など第三次産業に従事する。
連邦最高裁判所、IOC(国際オリンピック委員会)本部が置かれ、国際会議、見本市がしばしば開かれる。総合大学(1890創立)、連邦立理工科大学(1969創立)があり、外国からの留学生も多い。
[前島郁雄]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
スイスの西部,レマン湖北岸,ジュラ山地の南斜面にあり保養地として知られる。スイス最高裁判所,国際オリンピック委員会,ローザンヌ大学などがある。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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