日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ハートリー(Leslie Poles Hartley)
はーとりー
Leslie Poles Hartley
(1895―1972)
イギリスの小説家。ノーサンプトンに生まれる。オックスフォード大学卒業。ヘンリー・ジェームズ風の処女作『シモネッタ・パーキンズ』(1925)、また、中産階級の兄妹の成長を描いて両大戦間のイギリスの社会生活を鮮やかに浮かび上がらせた三部作『小えびと磯(いそ)ぎんちゃく』(1944)、『第六天国』(1946)、『ユースタスとヒルダ』(1947)など、伝統的・技巧的な小説に秀でていた。しかし、1960年の『顔の正義』は、社会的関心の強い優れた逆ユートピア小説である。
[鈴木建三]