翻訳|herbarium
植物の資料標本を収納し,それによって多様な植物の種について研究するところ。腊葉(さくよう)館ともいう。単に,標本が収蔵されている建物だけを指す場合もある。日本では,国立科学博物館植物部門,東京大学総合研究資料館植物部門,東京都立大学(現,首都大学東京)理学部牧野標本館,財団法人服部植物研究所などが独立したハーバリウムであり,そのほかに各地に建設されている博物館などにも規模は小さいがよく似た施設がつくられている。京都大学,北海道大学,東北大学,広島大学などの植物分類学研究室には膨大な資料標本が所蔵されており,優れた研究業績が上げられているが,それ自体が独立した機関とはなっていない。しかし,欧米の整った施設や,開発途上国における意欲的なハーバリウムの建設,維持の現状に比べれば,日本におけるハーバリウム関連施設はきわめて貧弱である。ただ標本数だけでいうと,東大に120万点,京大に100万点あり,欧米の中位のハーバリウムに相当する規模に達している。外国では,イギリスのキュー植物園の500万点,フランスのジャルダン・デ・プラント(国立自然史博物館)の650万点の標本が代表的である。
執筆者:岩槻 邦男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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