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バルト3国情勢 ばると3ごくじょうせい/ばるとさんごくじょうせい

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知恵蔵2015の解説

バルト3国情勢

エストニア、ラトビアリトアニアは2004年3月に北大西洋条約機構(NATO)に、5月に欧州連合(EU)に加盟して、ロシアの脅威から脱して欧州へ帰属するという悲願を達成した。特にバルト諸国は、集団的防衛権を定めた北大西洋条約第5条に特別の意義を認めている。他国が侵略したとき、米国や西欧諸国が侵略国と戦うことを義務付けているからだ。そもそもソ連邦崩壊のきっかけを作ったのは、バルト3国民主化運動であった。ゴルバチョフ大統領(当時)が進めたペレストロイカ時代に高揚した市民運動である人民戦線(エストニア、ラトビア)や人民戦線サユディス(リトアニア)などがソ連全体の反体制運動に火をつけることになった。1991年9月6日、ソ連議会はバルト3国の独立を承認し、国連もバルト3国の加盟を認めた。これにより40年に独ソ不可侵条約秘密議定書でソ連に併合されて以来、51年ぶりに独立を回復した。しかし、ロシアへの恐怖は根強く残っていた。NATO加盟はロシアの脅威を心理的にも払拭した。バルト諸国の経済は高成長を続けているが、EU加盟によって経済的にも欧州の一員になっている。

(袴田茂樹 青山学院大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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