ヒル(Sir Rowland Hill)(読み)ひる(英語表記)Sir Rowland Hill

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ヒル(Sir Rowland Hill)
ひる
Sir Rowland Hill
(1795―1879)

イギリス官吏郵便制度の改革者。イングランド中部のキッダミンスター市に生まれる。児童教育や社会問題に関心をもつ。郵便制度の研究に熱心で、距離の遠近によらず、重量による全国均一郵便料金制の施行という改革案を1837年に発表、これが議会を動かし、1840年イギリスをして世界最初の均一郵便制の実施国とさせた。1839年財務省に雇用され、1834年にイギリス人チャルマーズJames Chalmers(1782―1853)の創案した郵便切手を実際につくり、行使することなどを含めた郵便改革を行った最初の人となる。1854年から郵政長官に就任。多くの郵便事業の改善に努めた功により、1860年爵位を授けられた。没後ウェストミンスター寺院に葬られた。

[今井 修]

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