デジタル大辞泉 「遠近」の意味・読み・例文・類語 おち‐こち〔をち‐〕【▽遠▽近】 1 遠い所と近い所。あちらこちら。「鶏の声も―に聞こえる」〈藤村・千曲川のスケッチ〉2 将来と現在。昔と今。「またまつく―兼ねて言ことは言へど逢ひて後こそ悔いはありといへ」〈万・六七四〉[類語]そこかしこ・ここかしこ・あちこち・あちらこちら・そこここ・ところどころ・点点・方方・諸方・各地・各所・随所 えん‐きん〔ヱン‐〕【遠近】 遠い所と近い所。遠いことと近いこと。「遠近を問わず、多くの人々が集まる」 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「遠近」の意味・読み・例文・類語 えん‐きんヱン‥【遠近】 〘 名詞 〙 ( 古く「えんぎん」とも )① 遠さと近さ。遠いことと近いこと。遠い所と近い所。おちこち。遠邇(えんじ)。[初出の実例]「量二路程遠近、運物軽重一」(出典:続日本紀‐養老四年(720)三月己巳)「城下の横町、裏通りを遠近(ヱンキン)とたづね廻れど」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉二)[その他の文献]〔陶潜‐桃花源記〕② 遠い所の人と近い所の人。遠人と近人。〔史記‐始皇本紀〕③ 年月、日時などのあとさき。[初出の実例]「年紀之遠近は只可然様に」(出典:政基公旅引付‐永正元年(1504)八月一二日) おち‐こちをち‥【遠近】 〘 代名詞詞 〙 他称。① あちらこちら。[初出の実例]「ももしきの 大宮人も 越乞(をちこち)に しじにしあれば」(出典:万葉集(8C後)六・九二〇)② 将来と現在。[初出の実例]「真玉付く彼此(をちこち)かねて言(こと)はいへど逢ひて後こそ悔にはありと言へ」(出典:万葉集(8C後)四・六七四)遠近の語誌( 1 )本来は「近いところ・遠いところ」を対比的に指したと思われるが、漠然と「各所」の意でも用いられた。( 2 )平安時代以降は、主に和歌などに現われる。歌学書で意味が問題にされているところから、遅くとも平安後期には既に日常語ではなかったと見られ、語形の似た「あちこち」が出現する。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
普及版 字通 「遠近」の読み・字形・画数・意味 【遠近】えん(ゑん)きん 距離。遠いところと近いところ。〔管子、乗馬〕壹宿の行り。のに數り。字通「遠」の項目を見る。 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報 Sponserd by