ピカールの定理(読み)ピカールのていり(英語表記)Picard's theorem

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピカールの定理」の意味・わかりやすい解説

ピカールの定理
ピカールのていり
Picard's theorem

複素数 z複素関数 f(z) が,z≠∞ であるすべての z において正則 (微分可能) であれば,これを整関数と呼ぶ。多項式でない整関数を超越整関数と呼ぶ。また f(z)=w となる z を,f(z) の w 点と呼ぶ。このとき,ピカールの定理は次のように述べられる。すなわち,任意の超越整関数 f(z) は,たかだか1つの値 (これを f(z) の除外値という) を除いたすべての w の値に対して,w 点を無限に多くもつ。

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世界大百科事典(旧版)内のピカールの定理の言及

【関数論】より

…これは無限遠点に真性特異点をもつものと考えられる。超越整関数fは,たかだか一つの値を除きすべての複素数値を無限回とる(ピカールの定理Picard’s theorem)。 Cで有理型であって有理式でない関数を,超越有理型関数という。…

【特異点】より

…このときは,zaへの近づき方によって,f(z)は任意の値に近づきうる(ワイヤーシュトラスの定理)。また,faの近傍で,たかだか一つの値を除いて,すべての値を無限回とる(ピカールの定理)。例えばf(z)=e1/zは0に真性特異点をもっている。…

※「ピカールの定理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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