多項式（読み）タコウシキ（その他表記）polynomial

デジタル大辞泉

たこう‐しき〔タカウ‐〕【多項式】

１ 二つ以上の単項式を加号または減号で結んだ式。⇔単項式。
２ ⇒整式せいしき

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

たこう‐しきタカウ‥【多項式】

1. 〘 名詞 〙
2. ① 整式。
3. ② 二つ以上の単項式を、加号または減号で結びつけた整式。3x+2,5x²-3xy+6y² の類。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書（1889）〕

出典　精選版 日本国語大辞典

改訂新版　世界大百科事典

多項式 (たこうしき)
polynomial

変数xを使って，21x⁵＋8x⁴＋17x³＋6x²＋5x＋9のように書ける式を多項式という。もっと一般に，n個の文字（または変数）x₁，……，x_nについて，（i_α≧0，α＝1，2，……，n）の形のもの，またはそれに係数を掛けたものをx₁，……，x_nの単項式と呼び，その次数はと定める。ただし，i₁，……，i_nの中に0があるとき，その変数は除いて表示する。またx_i¹はx_iで表す。例えば，x₁⁰x₂⁵x₃⁰x₄¹＝x₂⁵x₄。x₁⁰x₂⁰……x_n⁰は1と考える。有限個の単項式の和の形のものをx₁，……，x_n（またはn変数）の多項式，あるいは整式という。係数が0である項はあってもなくても同じとみなす。多項式f（x₁，……，x_n）に0でない係数で現れる単項式の次数の最大のものをf（x₁，……，x_n）の次数といい，deg f（x₁，……，x_n）で表す。f（x₁，……，x_n）に表れる単項式の次数がすべて同じであるとき，f（x₁，……，x_n）は斉次式，または同次式であるという。1変数の多項式c_nxⁿ＋c_n-1xⁿ⁻¹＋……＋c₀でc_n＝1であるとき，この多項式はモニックmonicであるという。

　二つの単項式の積はで定義される。二つの多項式の和，積は次の式で定める。

　多項式f（x₁，……，x_n）の係数が実数（または複素数）ならば，f（x₁，……，x_n）はRⁿ（またはCⁿ）からR（またはC）への関数と考えられるが，上の和，積は関数値の和，積と対応させる関数になっている。
執筆者：丸山 正樹

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

多項式
たこうしき
polynomial

整式ともいう。一般に n ，4x ，1/2xy ，－3x²yz などのように，数およびいくつかの文字の積だけから成る式を単項式 monomialという。このような単項式の2つ以上の代数和となっている式，すなわち 4x＋1/2xy－3x²yz の形の式を多項式といい，その代数和をつくる各単項式を，多項式の項という。項の個数に従って，2項式，3項式，…などと呼ぶ。単項式を項が1つの多項式と考えることもある。また1つの文字 x に着目した場合には，f(x)＝a₀xⁿ＋a₁x^n-1＋…＋a_n-1x＋a_n の形の式を x の n 次の多項式という。ここで a₀ ，a₁ ，…，a_n は x に関係しない定数である。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

百科事典マイペディア

多項式【たこうしき】

一つの文字Xと数a(/0)，a₁，…，a(/n)から作られるf（X）＝a(/0)＋a₁X＋…＋a(/n)X(n/)の形の式を，文字Xの多項式という。一般には文字X₁，X₂，…，X(/n)と数から加法と乗法だけで作られる（式１）の形の式を多項式という（k₁，…，k(/n)は０または正整数）。多項式の各項を単項式といい，多項式と単項式を合わせて整式という。→有理式

出典　株式会社平凡社