日本大百科全書(ニッポニカ) 「フクロウ目」の意味・わかりやすい解説
フクロウ目
ふくろうもく
鳥綱の1目。この目Strigiformesは夜の猛禽類(もうきんるい)とよばれるフクロウ類よりなり、メンフクロウ科Tytonidaeとフクロウ科Strigidaeに分類される。メンフクロウ科は、フクロウ科によく似た夜行性の食肉鳥であるが、骨格に若干のはっきりした特徴がある。外形態でも、顔盤が独特で、フクロウ科より足が長い。フクロウ類としての特殊化は、メンフクロウのほうが進んでいる。フクロウ目の著しい特徴は、目が顔の前面に前方を向いて並んで位置し、その周囲の羽毛は放射状に配列して顔盤を形成していることである。このため、一見人間の顔に似た面相をもつ。嘴(くちばし)とつめは鋭く、鉤(かぎ)状に曲がり、足指は、外趾(がいし)(第4趾)が前向きにも後ろ向きにもなる。フクロウ類は猛禽類として、かつてはワシ・タカ類といっしょに分類されるのが普通であった。しかし、その後の研究では、両者の類似は肉食のための相似であり、フクロウ目はヨタカ目に縁が近いと考える人が多い。なお、一部の学者は、タカ目は一つの分類群ではなく、フクロウはタカ科とは縁がないが、ハヤブサ科とは縁が近いと主張している。
[森岡弘之]