猛禽類(読み)モウキンルイ(英語表記)bird of prey

翻訳|bird of prey

デジタル大辞泉 「猛禽類」の意味・読み・例文・類語

もうきん‐るい〔マウキン‐〕【猛×禽類】

タカ目とフクロウ目の鳥の総称かぎ状の鋭いくちばし鉤爪もち小動物や他の鳥を捕食する。

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共同通信ニュース用語解説 「猛禽類」の解説

猛禽類

猛禽もうきん類 他の動物を捕食したり、死肉を食べたりする大型の鳥類の総称で、鋭い爪や大きなくちばしが特徴。ワシ、タカ、ハゲワシハヤブサ、フクロウの仲間などがある。生態系の上位に位置するため個体数は少なく、多くの餌や広い生息地を必要とし、環境破壊や狩猟の影響を受けやすいとされる。日本の環境省はシマフクロウオジロワシカンムリワシなどを絶滅危惧種に指定。沖縄県・南大東島などにいたダイトウノスリは既に絶滅したとしている。

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精選版 日本国語大辞典 「猛禽類」の意味・読み・例文・類語

もうきん‐るいマウキン‥【猛禽類】

  1. 〘 名詞 〙もうきん(猛禽)〔生物学語彙(1884)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「猛禽類」の意味・わかりやすい解説

猛禽類 (もうきんるい)
bird of prey

タカ目フクロウ目に属する鳥の総称。いずれの目も,感覚が鋭敏で活動がすばやい哺乳類や鳥類を捕食する種が多い。鋭いつめを備えた足で獲物をとらえ,短いが鋭く曲がった強力なくちばしで肉を裂く。翼はよく発達して飛翔(ひしよう)力が強く,眼は大きく視力が優れている。雄よりも雌が大きいなど,習性と外部形態に共通な点が多く,19世紀末までは同一の目に分類されていたが,現在では骨格など内部形態の違いにより,別の目とされる。ただし,頭部の筋肉は,ふつうタカ目に分類されるハヤブサ類とフクロウ目に類似点が多い。ワシ,タカなどタカ目の鳥は昼行性なので〈昼の猛禽〉,夜行性の多いフクロウ目を〈夜の猛禽〉ということがある。また,スズメ目のモズ科は,くちばしの形がこれらと似ており,ネズミ類や小鳥をとることが多いので,分類学上は縁が遠いが,やはり猛禽と呼ばれることがある。
タカ →フクロウ
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「猛禽類」の意味・わかりやすい解説

猛禽類
もうきんるい
birds of prey; raptors

タカ目,ハヤブサ目,フクロウ目の鳥の総称。一般的には鋭いと爪をもち,おもに昆虫類や哺乳類,鳥類を捕食する。ミサゴのように魚食性のものもいる。しかし,こうした習性をもっていても,ほかの目(もく)の鳥は猛禽類には含めない。ワシタカ類とフクロウ類は,古くは鳥綱の同じ目として扱われていたが,形態的な類似が収斂によることから,今日では別の目に分類されている。なお,ワシタカ類を昼行性猛禽類,フクロウ類を夜行性猛禽類ということもある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「猛禽類」の意味・わかりやすい解説

猛禽類
もうきんるい
birds of prey
raptors

元来は鳥獣を捕食する大形鳥類(食肉鳥)という意味で用いられた語で、そこには三つの内容があった。すなわち、鳥獣食、捕食性、大形である、ということで、猛禽というのはこの三つを兼備した鳥をさすものであり、そのイメージはかなり強い。しかし現在では、この語はタカ目とフクロウ目の鳥という意味で用いられるようになってきた。そのなかには小形で昆虫食の鳥もいるが、それらも含めた系統群をさすことが多くなっている。

[浦本昌紀]

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