日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨタカ目」の意味・わかりやすい解説
ヨタカ目
よたかもく
鳥綱の1目。この目Caprimulgiformesにはヨタカに似た鳥が含まれ、アブラヨタカ科Steatornithidae、ガマグチヨタカ科Podargidae、タチヨタカ科Nyctibiidae、ズクヨタカ科Aegothelidae、ヨタカ科Caprimulgidaeの5科に分類される。これらの諸科の鳥はみな夜行性で、昼間は木に止まって休息しているため、羽色は隠蔽(いんぺい)色を示す。共通の外形態的特徴として、嘴(くちばし)は小さいが、口は非常に大きい。多くのものでは口ひげもよく発達している。羽毛は柔らかく、音をたてずに飛ぶ。採食法は科によって異なり、ヨタカは主として飛びながら大きな口で昆虫類を捕食するが、タチヨタカは枝から飛び立って、飛んでくる昆虫をとらえ、ガマグチヨタカとズクヨタカは枝の上から主として地上の獲物をねらう。これらの鳥はほとんど動物食であるが、アブラヨタカはヤシやゲッケイジュの実が主食である。アブラヨタカは洞穴内に群がり、暗黒での飛翔(ひしょう)に音響定位を用いる。多くの人は、ヨタカ目はフクロウ目にいちばん縁が近いと考えているが、反対の意見もある。
[森岡弘之]