ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メンフクロウ」の意味・わかりやすい解説
メンフクロウ
Tyto alba; western barn owl
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翻訳|barn owl
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広義には鳥綱フクロウ目メンフクロウ科に属する鳥の総称で、狭義にはそのうちの1種をさす。この科Tytonidaeには11種が含まれる。全長28~53センチメートル、フクロウ類によく似ているが、顔盤が特徴的なハート形をしており、目はフクロウ類ほど頭のわりに大きくない。足はフクロウ類より細くて長く、中趾(ちゅうし)のつめの内縁が櫛(くし)の歯状になっている。羽色は一般に体上面が褐色系、下面が白っぽい。全世界に広く分布しているが、日本では、ミナミメンフクロウTyto longimembrisが沖縄の西表(いりおもて)島でただ1回記録されているだけである。明るい林からサバナにまですみ、夜間、ネズミやモグラなどの小動物をとって食べる。フクロウ類同様、聴覚と視覚は非常によく発達している。樹洞、崖(がけ)地の穴、建物のすきまなどに営巣する。ただし、巣らしい巣はつくらない。卵は白色無地で、1腹卵数は3~6個。雌だけが抱卵し、育雛(いくすう)は雌雄ともに行う。
種としてのメンフクロウT. albaは全世界に分布しているが、極地、黒海以東のユーラシア中・北部、サハラ砂漠、コンゴおよびアマゾンの密林地帯にはいない。この類の代表種で、ヨーロッパでは古城、教会、廃屋などに巣をつくる鳥としてよく知られている。
[樋口広芳]
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