日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブルボネ」の意味・わかりやすい解説
ブルボネ
ぶるぼね
Bourbonnais
フランス中部の旧州名で、マッシフ・サントラル(中央群山)の北の部分。現在はアリエ県とシェル県のいくつかの郡からなる歴史的地域。中心都市ムーラン。西部はボカージュ(林地)・ブルボネBocage Bourbonnaisとよばれ、結晶岩質の台地(標高200~500メートル)からなり、シェル川とアリエ川の谷の間にある。南東部はブルボネ山地(フォレーズ山地の北の延長部分)が占める。北東部はソローニュ(砂泥地)・ブルボネーズSologne Bourbonaiseとよばれ、マッシフ・サントラルから供給される岩屑(がんせつ)状の砂からなる平野で、沼が散在する。ブルボネは穀物、野菜、ウシ、ぶどう酒で知られ、またビシー、ネリ・レ・バン、ブルボン・アルシャンボーなどのミネラルウォーターで有名。カエサル(シーザー)の時代からフランスの一地方であったが、12~13世紀にブルボンの封建領主が国家を形成して初めて政治的統一がなされた。1589年からフランスを支配したブルボン王朝は、ブルボン公爵となったブルボン・ルイ卿(きょう)の子孫である。
[大嶽幸彦]