ブロッキング発振器(読み)ブロッキングはっしんき(その他表記)blocking oscillator

改訂新版 世界大百科事典 「ブロッキング発振器」の意味・わかりやすい解説

ブロッキング発振器 (ブロッキングはっしんき)
blocking oscillator

トランス結合発振器のループ利得を大きくとり,抵抗RとコンデンサーCの充放電回路とを組み合わせて得られる間欠形のパルス発振器。図の回路でCBは常時負に充電されており,トランジスターは遮断状態にある。CBの上端はRBを通して正の電源VCCに接続されているためしだいに放電し,やがてトランジスターのベースが正電位になると導通して,トランスの巻線には図の向きに電圧がかかりトランジスターは強く飽和する。このときCBはトランジスターのベースとエミッターを通して再び負に充電され,トランジスターは遮断状態にもどる。このようにして出力巻線には間欠的にパルスが得られる。パルス間隔はRBで広範囲に調整できる。ダイオードDはトランジスターが遮断状態にもどったとき一次巻線に蓄えられた電磁エネルギーを放電するために必要である。ブロッキング発振器は出力インピーダンスが低く,パルス電源としてよく用いられる。
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 R&B CB 柳沢

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブロッキング発振器」の意味・わかりやすい解説

ブロッキング発振器
ブロッキングはっしんき
blocking oscillator

真空管やトランジスタが断続的に強い発振状態に入るようにした発振器で,鋸歯状波発振器の一種。そのため変成器と時定数回路による強い正のフィードバックがかけてある。立上がりに速い出力が得られる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android