パルス(読み)ぱるす(英語表記)pulse

翻訳|pulse

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パルス」の意味・わかりやすい解説

パルス
ぱるす
pulse

脈拍鼓動のように血液の流れや電圧の値などが律動的に変化する現象をいう。パルスは通常、時間の推移に従って物理量が周期的、かつ過渡的に変化することをいうが、時間以外の次元を基準とするパルスも存在するから、その場合には、たとえばスペースパルスというように次元を明白にする必要がある。すべてのパルスに共通な性質は、ある定常な状態(零でなくてもよい)から急速に変化し、有限の期間持続し、もとの状態に急速に復帰するような変化を繰り返すことである。パルスは主として通信装置に使用されている。レーダーロランのような航法装置に使用されている電波は、電波自体がパルス状を呈しているが、PCMパルス符号変調)、PSKフェイズ・シフト・キーイング)では電波は持続しており、これを変調する信号のほうがパルスなのである。コンピュータではパルスはクロックパルス、制御パルスとして、あるいは符号を構成して記憶や演算が遂行される。

石島 巖]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パルス」の意味・わかりやすい解説

パルス
pulse

短時間の間だけに生じる振動現象。代表的なパルス波形には,矩形波 (方形波) ,三角波,半正弦波,ガウス波などがある。エレクトロニクスではパルスを用いたパルス技術が,シンクロスコープ,コンピュータ,通信,各種の計測や制御などに広く用いられている。パルスの発生には普通マルチバイブレータブロッキング発振器などの緩和発振が利用されるが,微分回路やクリップ回路などによる波形操作を行うことによっても得られる。パルスの発生,変換を行う回路をパルス回路という。

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