改訂新版 世界大百科事典 「ブロッキング発振器」の意味・わかりやすい解説
ブロッキング発振器 (ブロッキングはっしんき)
blocking oscillator
トランス結合発振器のループ利得を大きくとり,抵抗RとコンデンサーCの充放電回路とを組み合わせて得られる間欠形のパルス発振器。図の回路でCBは常時負に充電されており,トランジスターは遮断状態にある。CBの上端はRBを通して正の電源VCCに接続されているためしだいに放電し,やがてトランジスターのベースが正電位になると導通して,トランスの巻線には図の向きに電圧がかかりトランジスターは強く飽和する。このときCBはトランジスターのベースとエミッターを通して再び負に充電され,トランジスターは遮断状態にもどる。このようにして出力巻線には間欠的にパルスが得られる。パルス間隔はRBで広範囲に調整できる。ダイオードDはトランジスターが遮断状態にもどったとき一次巻線に蓄えられた電磁エネルギーを放電するために必要である。ブロッキング発振器は出力インピーダンスが低く,パルス電源としてよく用いられる。
執筆者:柳沢 健
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報