化学辞典 第2版 「プラスマローゲン」の解説
プラスマローゲン
プラスマローゲン
plasmalogen
ビニルエーテル結合をもつグリセロリン脂質の総称.ジアシル型リン脂質に似ているが,グリセリン骨格の1位に脂肪鎖がビニルエーテル結合している点が異なる.ウシの脳中からコリンプラスマローゲンが最初に見いだされたが,塩基としてエタノールアミンを含むエタノールアミンプラスマローゲンがもっとも多く,セリンのものも知られている.これらは動物組織に広く分布し,とくに脳や心臓の組織,マクロファージ,血小板,ヒトの赤血球に多い.構成脂肪酸としては不飽和のものが多く,肺マクロファージでは,2位脂肪酸(R2COOH)の50% がアラキドン酸である.エタノール,クロロホルムに可溶,エーテル,アセトンに不溶.プラスマローゲンの生物学的意義については,まだよくわかっていない.プラスマローゲンをホスホリパーゼAなどにより脱アシル化すると,リゾプラスマローゲンが得られる.[別用語参照]脂質
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報