…醸造酒 蒸留酒は,醸造酒の発酵液(もろみ),またはそのろ液やろ過残渣(ざんさ)(酒かす)を蒸留したものをいう。酒税法上の種類としては,アルコール含有物を連続式蒸留機で蒸留した焼酎甲類(ホワイトリカー),デンプン質原料,こうじ,水を原料として糖化,発酵させ単式蒸留機で蒸留した焼酎乙類(本格焼酎)などの焼酎,麦芽などの発芽穀類と水を原料として糖化,発酵させ蒸留したウィスキー,および果実を原料として発酵させ蒸留したブランデーを含むウィスキー類のほか,スピリッツ類がある。スピリッツ類には,中国の茅台酒(マオタイチユウ)のようにアルコール分が焼酎乙類の最高限度である45度を超えるものや,アラック,テキーラ,ラム,アクアビット,ジン,ウォッカなどのようにウィスキー類とは原料あるいは製法が異なるものがこれに含まれる。…
… 新式焼酎は1911年日本酒精が初めて製造・販売したが,焼酎そのものが広く飲まれるようになったのは第2次大戦後のことである。49年度には酒類の総生産量の31%を占め,新式焼酎に〈ホワイトリカー〉という洋風の名前がつけられた。その後生産量自体は増加していったが,清酒,ビールに比べその増加率は低く,酒類全体のなかの地位は低下した。…
…これに対して,糖みつなどの農産物を原料としてこれをアルコール発酵させ,連続式蒸留機を用いて高純度のアルコールをとり,これを水でうすめてアルコール分36%以下にした酒を焼酎甲類と呼んでいる。乙類は本来のものの意味で本格焼酎ともいい,甲類は1899年に神谷伝兵衛がドイツから輸入した連続式蒸留機でアルコールを製造し,これに水を加えてつくったのが初めで,新式焼酎と呼ばれ,近年はホワイトリカーの名で親しまれている。ちなみに神谷伝兵衛は1882年〈蜂印葡萄酒(はちじるしぶどうしゆ)〉を発売,のちに東京浅草に神谷バーを開き,〈電気ブラン〉の名を高からしめた人物である。…
…連続式蒸留機の蒸留酒は,アルコールの純度が高まるほど原料の特徴が失われ,酒はソフト化する。グレーンウィスキー,アルマニャックのほか,19世紀初めまでは単式によっていたウォッカ,アクアビット,ライトラム,さらにブレンド用ブランデー,甲類焼酎(ホワイトリカー)などが,現在この型の蒸留機によってつくられている。【菅間 誠之助】。…
※「ホワイトリカー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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