ボロン繊維(読み)ボロンせんい(英語表記)boron fiber

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボロン繊維」の意味・わかりやすい解説

ボロン繊維
ボロンせんい
boron fiber

直径は 100μm程度であり,一般の繊維より太い。引張弾性率は 410GPa,引張強度は 3.6GPaであって,鋼よりもはるかに高い。反応管の中に水素と塩化ホウ素ガスを流しておき,この中に 1100~1200℃に加熱した直径 12.5μmのタングステン線を通過させることにより,タングステン線上にホウ素を析出させる方法 (化学蒸着) で製造する。ボロン繊維は,密度が 2.6g/cm3であり,鋼の 7.8g/cm3より小さく,軽量である。耐熱性が高いのでアルミニウム合金マトリクスとする繊維強化金属用に適し,アメリカの軍用航空機やスペースシャトルに使われている。その他,樹脂をマトリクスとする複合材料として,ゴルフシャフト,テニスラケット,自転車のフレームなどにも応用されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android