マチャード(Manuel Machado)(読み)まちゃーど(英語表記)Manuel Machado

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

マチャード(Manuel Machado)
まちゃーど
Manuel Machado
(1874―1947)

スペインの詩人セビーリャの生まれ。アントニオ・マチャードの兄。大学で文学専攻マドリード、パリで文学的ボヘミアン生活も経験している。早くからアンダルシアの民衆性と優美さに根ざした詩を書いている。彼の詩の洗練された貴族的雰囲気はフランスの象徴主義、さらに当時一世を風靡(ふうび)していた近代主義(モダニズム)の影響による。『たましい』(1900)、『カンテ・ホンド』(1921)はその代表的な例。多彩な歴史、芸術に題材をとる詩も含め、彼の作品はその軽やかさと感覚性だけで評価されがちだが、背後にある、とくに後年の深い思索的傾向も考慮されねばならない。ほかに弟アントニオとの合作による『ラ・ローラは港へ』(1930)など数編の韻文劇がある。アカデミー会員。

[有本紀明]

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