マルティーネス・シエラ(読み)まるてぃーねすしえら(その他表記)Gregorio Martínez Sierra

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マルティーネス・シエラ」の意味・わかりやすい解説

マルティーネス・シエラ
まるてぃーねすしえら
Gregorio Martínez Sierra
(1881―1948)

スペイン劇作家マドリードで生、没。詩や小説も書き、メーテルリンクの作品集を全訳し、新聞・雑誌界でも活躍した。50編近い戯曲は、主題の社会性においておおむねベナベンテ路線だが、修道院で育った孤児娘(みなしご)への尼僧たちの愛を繊細な筆致で描いた代表作『子守唄(うた)』(1911)をはじめ、『秋の日の春』(1911)、『お母様』(1912)、独白劇『女たちのためにだけ』(1913)、『幸福になりましょう』(1929)など、筋の中心に女を据え、おもに母性を通して女性心理を甘く感傷的に描写した秀作が多い。女性中心思想と、キリスト教的人間愛による問題解決が結末という傾向は、作品制作に協力した妻の影響が大きいとされている。

[菅 愛子

『永田寛定訳『子守唄』(岩波文庫)』

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