化学辞典 第2版 「マンガンカルボニル」の解説
マンガンカルボニル
マンガンカルボニル
manganese carbonyl
マンガンカルボニルの単核錯体は,現在発見されておらず,二核錯体として,ジマンガンデカカルボニル [Mn(CO)5]2 が知られている.黄色の結晶で,融点154 ℃.塩化マンガンとトリエチルアルミニウムをエーテルまたはベンゼン中で,高圧のCOと反応させて合成する.二つのMn原子は結合しており,その結合距離は0.292 nm と長い.それぞれのMn原子に5個のCOが八面体に配位した構造をしている(Mn-CO0.179,0.183 nm).マンガンデカカルボニルを原料として,塩素,水素や別の配位子と反応させることにより,Mn(CO)5Cl,HMn(CO)5,などをつくることができる.[CAS 10170-69-1:Mn2(CO)10]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報