高圧(読み)こうあつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

高圧
こうあつ

(1) high pressure 高い圧力のこと。数万気圧以上になると超高圧という。圧力を伝える物質 (伝圧媒体) として流体または変形する固体を用い,これを管内に封入して,外部からピストンなどで圧力を加えると,高圧が得られる。アメリカの物理学者 P.ブリッジマンが開発した加圧装置が最初のものであるが,大きな面積に加えられた圧力が小さい点に集中し,高圧を伝圧媒体に伝えるようになっており,原理的には普通の水圧器と同じである。簡単なピストン型では約5万気圧 (約 5GPa) が限度であるが,ブリッジマンの鉄床 (かなとこ) 型では 50万気圧,これを立体配置に改良した四面体型では 100万気圧が得られている。またダイヤモンドアンビルセルを用いて 300万気圧 (300GPa) 以上の圧力が得られている。ブリッジマンは,水が 7000気圧あたりで新しい氷になることを発見した。これは密度が1より大きく,高圧下では0℃以上の温度でも存在できる冷たくない氷である。それ以後,高圧下における物質の状態の研究が盛んになり,ポリエチレンのように,新しい物質を高圧下で合成する技術が発達した。ブリッジマンは,加圧装置の発明と高圧下での物性研究によって,1946年ノーベル物理学賞を受賞している。 (2) high voltage 高い電圧を略して高圧という。一般には変圧器の巻線のうち電圧の高いほうを高圧側という。送配電では電圧階級を設けていて,日本では直流は 750V,交流は 600Vをこえて 7000V以下の範囲を高圧と呼び,それ以下を低圧,それ以上を特別高圧,17万V以上を超高圧,35万V以上を超々高圧と呼んで区別している。

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デジタル大辞泉の解説

こう‐あつ〔カウ‐〕【高圧】

高い圧力。強い圧力。「高圧の酸素」⇔低圧
高い電圧。電気設備基準では、送電電圧の規格の一つとして、直流で750ボルトを超え7000ボルト以下、交流で600ボルトを超え7000ボルト以下の電圧。⇔低圧
権力で押さえつけること。「高圧手段」

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精選版 日本国語大辞典の解説

こう‐あつ カウ‥【高圧】

〘名〙
① (「高圧力」の略) 高い圧力。強い圧力。
※舶用機械学独案内(1881)〈馬場新八・吉田貞一〉後「聯成機械は高圧(コウアツ)及び低圧機械を合用したるものにして」
② (「高電圧(こうでんあつ)」の略) 高い電圧。今日の電気設備基準では、直流は七五〇~七〇〇〇ボルト、交流は六〇〇~七〇〇〇ボルトの範囲と規定。
※電気事業取締規則(明治三五年)(1902)九条「高圧と称するは低圧の制限を超過し三千五百ヴォルトを超過せざる電圧を謂ふ」
③ 相手を威圧し従わせること。
※大菩薩峠(1913‐41)〈中里介山〉白根山の巻「役目を笠にいくらでも其の高圧(カウアツ)の手段は有るやうな事を云ひます」

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