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ミーラージュ mi‘rāj[アラビア]

世界大百科事典 第2版の解説

ミーラージュ【mi‘rāj[アラビア]】

元来は〈はしご〉を意味する語。後にはとくに〈ムハンマドの昇天〉の意に用いられるようになった。コーランは神を天国に至る〈はしごの主〉であると述べ(70:3)ており,またムハンマドを連れて聖なる礼拝堂al‐masjid al‐ḥarāmから遠隔の礼拝堂al‐masjid al‐aqṣāまで夜の旅(イスラーisrā’)をしたと記している(17:1)。聖なる礼拝堂とはメッカのカーバを指し,遠隔の礼拝堂とは天国を意味したが,後世のハディース(伝承)は遠隔の礼拝堂をエルサレムの神殿に比定し,ムハンマドは天使ガブリエルに連れられて,翼のある天馬(ブラークBurāq)に乗り,エルサレムに旅してそこから光のはしごを登って昇天し,神の御座にひれ伏したと伝えている。

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世界大百科事典内のミーラージュの言及

【アンダルス】より

…この活動は賢王アルフォンソ10世のときに頂点に達し,膨大な量のアラビア語文献がヨーロッパ諸語に翻訳された。ダンテの《神曲》の内容・構成に決定的影響を与えたといわれるムハンマドの昇天(ミーラージュ)物語のひとつ《階梯の書》はこの地で翻訳されたものである。これら翻訳に従事したのはユダヤ教徒が主であったが,その他ヨーロッパから数多くの留学生が到来し,翻訳にたずさわった。…

【エルサレム】より

…イスラムにおいては,この都市は,ムハンマドに先立つユダヤ教,キリスト教にも共通する預言者たちの系列のなかで意義づけられ,キブラ(礼拝の方向)がメッカのカーバに変更されるまでは礼拝はエルサレムに向かって行われていた。そして何よりも,預言者ムハンマドが夜の旅(メッカからエルサレムへの旅〈イスラー〉と天国への上昇〈ミーラージュ〉)に導かれたところであって,イスラム教徒の説話のなかでは天国と地獄の接点にあたる場所であった。ヘブライ語のイェルシャライムはしばしば〈平和の基礎〉と解釈された。…

※「ミーラージュ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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