モクメシャチホコ(英語表記)Cerura vinula

改訂新版 世界大百科事典 「モクメシャチホコ」の意味・わかりやすい解説

モクメシャチホコ
Cerura vinula

鱗翅目シャチホコガ科の昆虫。開張約6~7cm。体翅とも明るい灰白色,前翅にうす墨色の木目状の斑紋があるのでこの名がある。雄の触角は太い櫛歯(くしば)状。本種によく似たオオモクメシャチホコとともに,ユーラシア温帯分布,日本でもまれでない。年1化,6~7月ころ出現する。幼虫ヤナギポプラの葉上におり,尾脚が1対の長い尾状の突起に変化し,独特の姿態を示す。樹幹上に固い繭をつくってさなぎになり越冬する。日本の南西部には,本種よりもいっそう太い黒色の帯をあらわすタッタカモクメシャチホコC.tattakanaを産する。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android