翻訳|ligand
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…上述の例においては,トレオニン脱アミノ酵素の活性はL‐イソロイシンにより,またアスパラギン酸カルバモイルトランスフェラーゼの活性はCTPによって可逆的に阻害されるが,第2段階以降の酵素の活性はまったく影響されない。ところで,これらの例にみられる代謝の合目的的な自動制御機構をきっかけとして提唱されたアロステリック効果の理論は,生理的に重要な各種化合物,あるいは分子(これらをリガンドligandとよぶ)が,酵素における活性中心とは異なる部位,すなわち制御中心に結合し,間接的に活性中心の機能を調節するというしくみとして,しだいにその定義が拡大され,今日では下記の三つの中のどれかに該当するものを指すようになった。(1)基質と異なる化合物による酵素活性の調節,(2)特定のリガンドによるタンパク質の高次構造変化を介した機能の調節,(3)協同性によるタンパク質の機能の調節(図1,図2)。…
…中心原子が複数個のものを多核錯体といい,中心原子の数nに応じてn核錯体(二核錯体の場合には複核錯体ともいう)という。中心原子に結合する原子あるいは原子団を配位子ligandまたはリガンドという。配位子に含まれる原子のうち中心原子に直接結合している原子を配位原子とよび,その数を配位数という。…
…錯体のなかで,中心原子に配位しているイオンまたは分子などの総称。リガンドともいう。たとえば[Co(NH3)6]Cl3,[Mg(H2O)6]SO4,K4[Fe(CN)6],K2[ZnCl4],[Cu(NH2CH2COO)2]などにおけるNH3,H2O,CN-,Cl-,NH2CH2COO-などは,それぞれ中心原子のCo3+,Mg2+,Fe2+,Zn2+,Cu2+などと結合しているイオン(単原子イオンあるいは多原子イオンを問わない)あるいは分子であって,これらが配位子である。…
※「リガンド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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