神経伝達物質(読み)しんけいでんたつぶっしつ(英語表記)neurotransmitter

  • 神経伝達物質 neutrotransmitter

翻訳|neurotransmitter

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ニューロンで生産され,シナプスで放出されて,標的細胞興奮または抑制の応答反応を起させる低分子の化学物質アセチルコリンアドレナリンドーパミンセロトニンなどのアミン類が古くから知られている。グルタミン酸グリシンγ-アミノ酪酸などのアミノ酸類も主要な神経伝達物質で,このうちγ-アミノ酪酸は抑制性伝達物質として働き,この脳内濃度が低下するとけいれんを誘発するなど,病態との関係が注目されている。また,サブスタンスPエンケファリンなど,より低分子の神経ペプチドが神経伝達物質として注目を集めており,すでに 50種類以上が報告されている。

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百科事典マイペディアの解説

神経細胞終末からシナプス間隙に放出され,次の神経細胞や筋肉細胞などに興奮または抑制の作用を引き起こす化学物質の総称。アセチルコリン,ノルアドレナリン,ドーパミン,セロトニン,アドレナリンなどのアミン類や,グルタミン酸,γアミノ酪酸(GABA),グリシンなどのアミノ酸類,さらにP物質,エンケファリン,エンドルフィンといったペプチド類など,十数種類が知られている。多くは神経終末のシナプス小胞に貯えられていて,神経興奮とともにシナプス間隙に放出されると考えられている。
→関連項目抗鬱剤ドーパミンモノアミン

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栄養・生化学辞典の解説

 ニューロトランスミッターともいう.神経細胞と神経線()維末端のシナプスボタンの間では化学物質によって信号が伝えられる.この化学物質は,代表的なアセチルコリン,ノルエピネフリンのほか,ドーパミン,セロトニン,グリシン,グルタミン酸,サブスタンスP,エンケファリン,エフェドリンなどがある.

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世界大百科事典 第2版の解説

ニューロン(神経単位)間のシナプス,神経と効果器との連結部において,神経終末から分泌され,興奮を次のニューロンまたは効果器に伝達する役割を果たす一連の物質。中枢神経系の伝達物質の候補として現在知られているものには,アセチルコリン,アミノ酸類(γ‐アミノ酪酸,グリシン,グルタミン酸,L‐アスパラギン酸),モノアミン(セロトニン,ヒスタミン),カテコールアミン(ノルアドレナリンアドレナリンドーパミン),ペプチド(バソプレシン)などがある。

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大辞林 第三版の解説

ニューロンで生産され、神経細胞の興奮または抑制を他の神経細胞に伝達する物質。アセチルコリン・ノルアドレナリン・ドーパミンなど。化学伝達物質。伝達物質。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 ニューロンの軸索末端から放出され、次の細胞を興奮させたり、あるいは抑制したりする物質。アセチルコリン・ノルアドレナリン・ドーパミン・セロトニン・グルタミン酸・ガンマアミノ酪酸など。化学伝達物質。

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化学辞典 第2版の解説

シナプスを介する神経細胞間の情報伝達に使われる分子.ニューロトランスミッターともいう.隣接の神経細胞を興奮させるものと抑制するものとがある.アセチルコリングルタミン酸などの興奮性伝達物質のイオンチャネル型受容体は Na チャネルそのものであり,リガンドが結合すると開口して,細胞内に Na を流入させ神経細胞を興奮させる.これに対し,グリシンやGABAなどの抑制性伝達物質は Cl チャネル型受容体に結合し,細胞内に Cl を流入させる結果,神経細胞内はよりマイナスの過分極状態となり興奮しにくくなる.

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世界大百科事典内の神経伝達物質の言及

【アセチルコリン】より

…生体内ではコリンとアセチルCoAとからコリンアセチラーゼの作用により合成される。1910年代から始まったデールH.H.Daleの研究,さらにレーウィO.Loewiのカエルの心臓の灌流(かんりゆう)実験(1921)などの歴史的研究を経て,化学的な神経伝達物質として初めて確立された物質である。副交感神経や運動神経において作用し,血圧降下,心収縮に対する抑制的作用,涙・唾液・胃液などの腺分泌の促進,消化管収縮,骨格筋収縮などの生理作用を示す。…

※「神経伝達物質」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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