リック天文台(読み)りっくてんもんだい(英語表記)Lick Observatory

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リック天文台」の意味・わかりやすい解説

リック天文台
りっくてんもんだい
Lick Observatory

アメリカカリフォルニア州のハミルトン山にある天文台。1882年設立。この天文台は大富豪リックJames Lick(1796―1876)の寄付により設立、運営されており、1888年には口径90センチメートル屈折望遠鏡(1897年にヤーキス天文台完成するまでは世界最大であった)が完成、その後1959年には、パロマ天文台の5メートル鏡をつくる際にテスト用につくられた鏡で口径305センチメートル反射望遠鏡を備えた。

 現在、カリフォルニア大学附属天文台となっており、本部サンタクルスにあり、カリフォルニア州内の大学の研究者が共同で使用している。

[磯部琇三 2015年5月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のリック天文台の言及

【天文台】より


[アメリカの天文台]
 アメリカでもっとも古い天文台は,東海岸のハーバード天文台とワシントンにある海軍天文台で,ともに1832年の創設である。しかし大望遠鏡群は西部に集まっており,パロマー山天文台(1928年創設,現在はウィルソン山天文台を含めてヘール天文台という)の5mと2.5mの反射,1.2mのシュミット,キット・ピーク天文台(1960年ころ創設)の3.8mと2.1mの反射,リック天文台(1874創設)の3m,マクドナルド天文台(1939創設)の2.7mと2.1mの反射,それにホプキンズ山天文台(1979創設)の有効口径4.5m(1.7m鏡6個の複合系)反射望遠鏡などが,晴天の多い乾燥した西部の天候に恵まれて観測の実績をあげている。 大望遠鏡の国際的団地として,1970年以降急速な発展を見たのが,ハワイ島マウナ・ケア山の標高4200mの山頂である。…

※「リック天文台」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android