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リフレ派 りふれは

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知恵蔵2015の解説

リフレ派

緩慢なインフレを継続させることにより、経済の安定成長を図ることができるとするマクロ経済学の理論を喧伝(けんでん)、もしくは政策に取り入れようとする人々のこと。
リフレーションとは再膨張の意で、経済学的には景気循環においてデフレーションから脱却してマネーサプライ(通貨供給量)が再膨張し、加速度的インフレーションになる前の段階にある比較的安定した景気拡大期を指す。リフレ派の主張は、政府・中央銀行が数パーセント程度の緩慢な物価上昇率をインフレターゲットとして意図的に定めるとともに、長期国債を発行して一定期間これを中央銀行が無制限に買い上げることで、通貨供給量を増加させて不況から抜け出すことが可能だとするもの。
リフレーション政策は、古くはマクロ経済学のうち新古典派に属する人々によって提唱された。金融政策財政政策によって、デフレから脱却しながらもインフレの発生を最小限にするというものだが、世界恐慌の現実の前には有効性を提示できず、後に近代経済学を体系的に確立したケインズらによる経済学派が当時の主流となった。主に公共投資の拡大で有効需要をつくりだし、投資を波及的に増大させるというケインズ学派の主張を基礎とする政策は、資本主義経済の延命と再生に奏功したが、膨大な財政赤字や、慢性的なインフレ、失業などの深刻な禍根を残した。以降、不況下のインフレというスタグフレーションの進行などによって、各国の経済政策は変更を迫られた。
2008年のサブプライム問題などに端を発する世界不況の広がりなどから、日本も内外需要が低下、消費の縮小や輸出の減少などが生じた。この結果、景気低迷が長引き継続的な物価の下落でデフレに陥った。12年に成立した第2次安倍内閣が、これに対する有効打として掲げた経済政策が「財政出動」「金融緩和」「成長戦略」による「アベノミクス」であり、その理論的支柱がリフレ派の理論であるという。リフレ派の論客として知られる岩田規久男学習院大教授が日銀副総裁となるなど、日銀法改正をにらんだ人事が注目されている。
不況脱却は衆論の一致するところで、「アベノミクス」には、小泉内閣による構造改革で削減された公共工事に関連する者などからの大きな期待が寄せられている。しかし、リフレ派の論拠である「デフレが不況の原因である」との主張に異を唱え、デフレは不況の結果であるから金融政策は有効性を持たないとする意見もある。また、インフレの先行は、経済的弱者を直撃して貧困を招き格差を拡大するとの懸念があり、たいした乗数効果のない公共工事は財政赤字を招くだけで、過去に破綻した陳腐な経済政策の焼き直しだと、厳しく批判するアナリストもいる。

(金谷俊秀  ライター / 2013年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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