リフレーション(読み)りふれーしょん(その他表記)reflation

翻訳|reflation

デジタル大辞泉 「リフレーション」の意味・読み・例文・類語

リフレーション(reflation)

景気循環過程で、デフレーションからは脱したが、インフレーションにはなっていない状態。また、そうした状態になるように財政金融を調節していくこと。リフレ。→ディスインフレーション

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精選版 日本国語大辞典 「リフレーション」の意味・読み・例文・類語

リフレーション

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] reflation ) デフレーションによって下がりすぎた一般物価水準を、正常な高さまで引き上げるため、インフレーションにならない程度通貨量を膨脹させること。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リフレーション」の意味・わかりやすい解説

リフレーション
りふれーしょん
reflation

景気循環のなかで、デフレーションから脱し、インフレーションには至っていない状態をさす。日本語では「通貨再膨張」。リフレと略す。不況を克服するために、金融政策などのマクロ政策を強力に推し進めることにより有効需要を創出して景気回復を図ると同時に、緩やかで安定的なインフレ率を達成しようとする政策をリフレ政策という。リフレ派とよばれる経済学者は、日本が1990年代以降長らくデフレ不況から脱却できないのは通貨の十分な量的緩和を行っていないためであると主張。デフレ不況を脱して安定的な成長軌道入りを目ざすために、日本銀行日銀)や財務省に対して量的緩和、円安へ誘導するような通貨政策を求めると同時に、日銀の国債引き受けなど非伝統的な金融政策を実行すべきとしている。第二次安倍晋三政権ではリフレ派の主張を続けてきたエール大学名誉教授の経済学者、浜田宏一(こういち)(1936― )が内閣官房参与就任。日銀にインフレ・ターゲット政策の導入を求めるなど、経済政策にリフレ派の政策が多く盛り込まれている。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リフレーション」の意味・わかりやすい解説

リフレーション
reflation

景気循環において,デフレーションを脱したのちインフレーションにまだ達していない状態。また,ゆるやかなインフレーションを計画的に引き起こして景気を刺激する経済政策。英語で「再膨張」の意。1990年代後半から本格化した日本のデフレーションをめぐっては,大胆な金融緩和を柱とした景気刺激策を唱える経済学者らが「リフレ派」と呼ばれた。リフレ派は日本のデフレーションの原因を,日本銀行バブル経済対策として行なった金融引き締め策からの転換が不十分だったためととらえ,景気回復のために物価上昇率を政策目標とし,実現するまで金融緩和を継続することを主張した。2012年1月,アメリカの連邦準備制度理事会 FRBが物価上昇率の目標値を導入し,日本銀行も 2013年1月に物価上昇率を政策目標にして大幅な金融緩和策に踏み切るなど,各国中央銀行がリフレーションに基づいた対応を実施した。しかし,デフレーションは需要不足が問題であり金融緩和による景気回復効果は少ないとの反論や,金融緩和が通貨の信認低下を招くなどの懸念もある。

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百科事典マイペディア 「リフレーション」の意味・わかりやすい解説

リフレーション

デフレーションの結果,正常と考えられる水準より下がり過ぎた物価水準を引き上げるため,意識的に推進されるインフレーション政策。reflationは通貨再膨張の意。1929年の世界大恐慌に続く1930年代のデフレに対処するため,米国等でとられた。

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