リンガフランカ(その他表記)lingua franca

翻訳|lingua franca

デジタル大辞泉 「リンガフランカ」の意味・読み・例文・類語

リンガ‐フランカ(lingua franca)

異なる言語を使う人達の間で意思伝達手段として使われる言語。また、商用で使われる国際共通語。リングアフランカ。リングワフランカ
[補説]中世以降の地中海沿岸で通商用に使われた、イタリア語フランス語ギリシャ語アラビア語などの混じった混成語の名から。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大学事典 「リンガフランカ」の解説

リンガ・フランカ

ラテン語で「フランク族の言語」ないし「勇猛な/自由な/槍を投げる」人々という意味ともいわれる。歴史的にはいわゆる民族大移動時代(3~5世紀)のフランク族の言語を指すのではなく,15世紀から19世紀にかけて,地中海で用いられたラテン系諸言語とアラビア語の混じった商用混合言語(ピジン)を意味する。とはいえ現在では,その派生的意味合いとして,諸民族にまたがる共用語/共通語として用いられる。たとえば,13~15世紀のスコラ学から人文主義の時代,ラテン語を共通語とする文人共和国は,大学におけるリンガ・フランカの初期の事例といえる。17世紀末以降,19世紀にかけてはフランス語が欧州の外交言語だったが,大学の共通言語だったとはいえない。少なくとも書き言葉学術用語としては,19世紀半ばに至るまで,ラテン語が欧州における大学の共通語であった。いわゆる漢字文化圏における中国語も欧州におけるラテン語と同様の位置にあったが,東アジアにおける近代の大学ではそうした意味をもたなかった。第2次世界大戦後,英語が外交語として世界の共通語になり,大学においてもしだいにかつてのラテン語の位置を占めつつある。
著者: 原 聖

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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