リンゴハマキクロバ(読み)りんごはまきくろば

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リンゴハマキクロバ」の意味・わかりやすい解説

リンゴハマキクロバ
りんごはまきくろば / 林檎葉巻黒翅蛾
[学] Illiberis pouni

昆虫綱鱗翅(りんし)目マダラガ科に属するガ。はねの開張25~30ミリメートル。体は黒色、かすかに青色の輝きをもつ。はねは細長く、青色を帯びた白色、透明であるが、前翅の基部と翅底部および前後翅の翅脈上は黒い。年1回の発生で、成虫は昼飛性。日本本土、ロシア連邦沿海州、中国北部に分布する。幼虫は体長20ミリメートルくらいのイモムシで、刺毛をまばらに生じ、黄白色の地に黒紋を連ねる。ナシノホシケムシとよばれ、リンゴ、ナシ、サクラなどバラ科の害虫として知られている。若齢で冬を越し、翌春食樹の葉を食べ、5~6月に老熟、葉裏に白色紡錘形の繭をつくって蛹化(ようか)する。20~30日後に成虫となる。

[井上 寛]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のリンゴハマキクロバの言及

【マダラガ(斑蛾)】より

…タケノホソクロバBalataea funeralisは,タケやササの害虫であるばかりでなく,毒針毛をもつので,触れると皮膚にささり,痛みや発疹ができる。このほか日本で害虫とされているものは,マサキやニシキギの葉を食害するミノウスバPryeria sinica,ウメやサクラにつくウスバツバメガElcysma westwoodii,ウメスカシクロバIlliberis rotundata,リンゴ,ナシ,サクラなどを食害するリンゴハマキクロバI.pruniなどがある。【井上 寛】。…

※「リンゴハマキクロバ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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