一〇〇式司令部偵察機(読み)ひゃくしきしれいぶていさつき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一〇〇式司令部偵察機」の意味・わかりやすい解説

一〇〇式司令部偵察機
ひゃくしきしれいぶていさつき

日本陸軍の高速・長航続の司令部偵察機。百式司偵ともいう。 1937年に設計開始,1939年 11月に初飛行し,三菱重工業量産に入った。太平洋戦争開戦前は,ホンコンマレー半島を高々度から隠密のうちに偵察したり,北はアッツ島から南はオーストラリアやインドまで広範囲の偵察飛行をした。その後も改良を続けて性能の向上をはかり,敵戦闘機の追随を許さぬ俊足を誇った。平均時速 700kmというジェット機なみの速度記録を出したこともある。最も多く用いられたのは II型だが,III型は機首風防段差をなくして速度性能が向上,燃料搭載量を増して航続距離が伸びた。 IV型は排気タービン過給機を装備して高々度性能を上げ,B-29爆撃機の迎撃にも使われた。 III型はエンジンが 1500馬力2。乗員2,全長 11m,全幅 14.7m,総重量 5722kg,最大速度時速 630km。生産数は 1742機。

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