三菱重工業(読み)みつびしじゅうこうぎょう(英語表記)Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三菱重工業」の意味・わかりやすい解説

三菱重工業
みつびしじゅうこうぎょう
Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.

総合重工業会社。三菱グループ中核企業。1884年岩崎弥太郎工部省から払い下げられた長崎造船所(→三菱長崎造船所)を借り受けて創立。1893年設立三菱合資会社造船部を経て,1917年三菱造船,1934年三菱重工業と改称。同 1934年三菱航空機を合併し,造船,兵器,航空機,機械,車両製造を中心とする日本最大の重工業生産力を有する会社となり,第2次世界大戦終結まで日本の戦力を支える大きな柱となった。1950年過度経済力集中排除法により西日本重工業(1952三菱造船に改称),中日本重工業(1952新三菱重工業に改称),東日本重工業(1952三菱日本重工業に改称)の 3社に分割され新発足した。1964年 3社が合併し再び三菱重工業となる。1970年自動車事業を三菱自動車工業として分離。1995年三菱原子力工業を合併。2013年フォークリフト事業を分離,日本輸送機と統合してニチユ三菱フォークリフトが発足した。2015年監査等委員会設置会社に移行。航空機を中心とする防衛産業に強いほか,公害防止産業でも首位を占める。また外国技術導入件数が多いのが特色である。2015年三菱長崎造船所の施設一部世界遺産文化遺産に登録された。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「三菱重工業」の解説

三菱重工業
みつびしじゅうこうぎょう

日本最大の総合重機械企業。1934年(昭和9)三菱造船が三菱重工業に社名を変更,同年三菱航空機を合併。太平洋戦争期には戦艦武蔵や戦闘機零戦(ゼロせん)などを生産して軍需生産の中心的存在となり,45年三菱工作機械を合併。戦後は過度経済力集中排除法の指定をうけて地域別に三分割され,50年に東日本重工業(52年三菱日本重工業に社名変更)・中日本重工業(同年新三菱重工業)・西日本重工業(同年三菱造船)の3社が設立されたが,64年3社の合併によって三菱重工業が再発足。70年に三菱自動車工業を分離,現在は防衛関連分野にも進出している。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「三菱重工業」の解説

三菱重工業

正式社名「三菱重工業株式会社」。英文社名「Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.」。機械工業。大正6年(1917)「三菱合資会社」から分離独立し「三菱造船株式会社」設立。昭和9年(1934)旧「三菱重工業株式会社」に改称。昭和25年(1950)過度経済力集中排除法により3分割されたが、昭和39年(1964)再合同して現社名に復帰本社は東京都港区港南。総合重工業会社。三菱グループの中核。原子力・航空宇宙・防衛分野などに実績。東京(第1部)・名古屋(第1部)・札幌・福岡の各証券取引所上場。証券コード7011。

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