一塩基酸（読み）イチエンキサン

デジタル大辞泉

いちえんき‐さん【一塩基酸】

1分子中に他の陽イオンと交換できる水素イオンが1個ある酸。硝酸・塩酸など。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

いちえんき‐さん【一塩基酸】

1. 〘 名詞 〙 分子中に金属原子または陽性基で置換できる水素原子を一つだけもつ酸で、分子一個から水素イオン一個を出す。塩酸、酢酸など。一価の酸。〔稿本化学語彙（1900）〕

出典　精選版 日本国語大辞典

化学辞典 第2版

一塩基酸
イチエンキサン
monobasic acid, monoprotic acid

酸1分子中に，塩基と中和することのできる(水素イオンとなりうる)H原子を1個含む酸をいう．塩酸HCl，硝酸HNO₃，過塩素酸HClO₄，次亜塩素酸HClO，ヨウ素酸HIO₃，フッ化水素酸HF，酢酸CH₃COOH，ギ酸HCOOH，パルミチン酸C₁₅H₃₁COOH，ステアリン酸C₁₇H₃₅COOH，安息香酸C₆H₅COOHなどがある．

出典　森北出版「化学辞典（第2版）」

世界大百科事典（旧版）内の一塩基酸の言及

【酸･塩基】より

…　酸がH^＋を放出するものであるといっても，その放出のしかたには各種のものがあり，一般に酸1分子当り放出するH^＋の数をその酸の塩基度といっている。　一塩基酸　HCl,HBr,HNO₃,HOCN,　　HClO,HClO₄　二塩基酸　H₂CO₃,H₂SO₄,H₂S₂O₃,H₂　　CrO₄,H₂PtCl₆　三塩基酸　H₃PO₄,H₃[Fe(CN)₆]塩基については，H^＋を減少させるものであるから，1分子当りで減少させる数をその塩基の酸度という。　一酸塩基　NH₃,KOH,NaOH　二酸塩基　Ca(OH)₂,Ba(OH)₂　三酸塩基　La(OH)₃，[Co(NH₃)₆](OH)₃なお，塩基度2以上の酸を多塩基酸，酸度2以上の塩基を多酸塩基という。…

※「一塩基酸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」