一季奉公(読み)いっきほうこう

精選版 日本国語大辞典 「一季奉公」の意味・読み・例文・類語

いっき‐ほうこう【一季奉公】

  1. 〘 名詞 〙 出替わり奉公人で、出替わり季から翌年の出替わり季までの一年間雇用されること。また、その者。戦国時代からみられ、江戸時代に一般化した。年季奉公または、譜代奉公と区別された。一季者。一季居(いっきすわり)
    1. [初出の実例]「一、一季奉公輩事。右経歴諸方而致奉公之輩、当其月暇常習也」(出典新加制式(1562‐73)一三条)

ひとき‐ぼうこう【一季奉公】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代、出替わり奉公人で、出替わり季から翌年の出替わり季までの一年間雇用されること。また、その者。ひときおり。いっきほうこう。
    1. [初出の実例]「一(ヒト)きぼうかうをして世をめぐるも有」(出典:三河物語(1626頃)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の一季奉公の言及

【奉公人】より

…しかし,近世に入るとそれは漸次人宿(ひとやど)(口入屋(くちいれや),桂庵(けいあん)),日用座(ひようざ)を通じて雇用される百姓,町人による給金めあての一季(いつき),半季の出替(でがわり)奉公や月雇(つきやとい),日雇へと移りかわっていった。江戸幕府は慶長(1596‐1615)のころから一季奉公をしきりと禁じ(これは一季奉公人の多くあったことを示すものであろう),軍役の確保のため譜代奉公の維持につとめた。1616年(元和2)には年季を3年とし,25年(寛永2)にはそれをさらに10年へと延長した(これは制度上,98年(元禄11)に廃止)。…

※「一季奉公」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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