一廉(読み)いっかど

精選版 日本国語大辞典 「一廉」の意味・読み・例文・類語

いっ‐かど【一廉】

  1. [ 1 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ひときわ優れているさま。相当であるさま。かなりなさま。
    1. [初出の実例]「みれはいっかとのおんなじゃが、あれはざとうがおんなじゃと見えた」(出典:虎明本狂言・猿座頭(室町末‐近世初))
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙
    1. ひときわ優れているさまを表わす語。相当。かなり。
      1. [初出の実例]「上るたびいっかどしめて来る女房」(出典:雑俳・柳多留‐初(1765))
    2. まだ未熟なものが、さも一人前のようにふるまうさまを評する語。まるで一人前のように。えらそうに。
      1. [初出の実例]「さらば己畜生なりと思はずして一廉(イツカド)人間立をするこそ」(出典談義本・艷道通鑑(1715)五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android