一束一本(読み)イッソクイッポン

デジタル大辞泉 「一束一本」の意味・読み・例文・類語

いっそく‐いっぽん【一束一本】

武家通常献上物で、杉原紙すぎはらがみ1束(10帖)と扇1本。十帖一本

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精選版 日本国語大辞典 「一束一本」の意味・読み・例文・類語

いっそく‐いっぽん【一束一本】

  1. 〘 名詞 〙 室町江戸時代に行なわれた献上物。杉原紙一束(一〇帖)に扇一本を添えたもの。さらに緞子(どんす)一本が添えられることもある。十帖一本。〔常照愚草(1521頃)〕

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世界大百科事典(旧版)内の一束一本の言及

【杉原紙】より

…杉原紙の起源については,美濃説(岐阜県揖斐郡藤橋村)と播磨説(兵庫県多可郡杉原谷村,現,加美町)の論議があったが,現在は播磨説が定説となっている。この地は椙原(すぎはら)庄とよばれ平安時代から製紙が行われていたが,盛んになったのは鎌倉時代以後で,とくに武士や僧侶の間で〈一束一本〉(杉原紙1束(10帖)に末広1本を加える),〈一束一巻〉(杉原紙1束の上に紋緞子1巻をおく)などと称して贈物に使われた。室町初期に成立したと思われる《書札作法抄》には,武家は杉原でなくては文を書かぬこと,ゆめゆめ引合(ひきあわせ)・檀紙(だんし)などには書くべからずとある。…

※「一束一本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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