コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

緞子 どんす

6件 の用語解説(緞子の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

緞子
どんす

紋織物の一種。地は繻子 (しゅす) 織 (サテン ) で,文様を地と表裏反対の同色の繻子組織で表わしたもの。また,2色以上の絵緯 (えぬき) を用いて文様を織り出したもの。ダマスク damaskともいう。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

どん‐す【×緞子】

唐音室町時代末、中国から伝えられたといわれる絹の紋織物。繻子(しゅす)地に同じ繻子の裏組織で文様を織り出したもの。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

緞子【どんす】

絹の模様織物の一種。組織は繻子(しゅす)織で模様の部分は表裏が反対になる。また経(たて)糸と緯(よこ)糸を別色にして模様を表すことも多い。同種に繻珍(しゅちん)がある。
→関連項目古代裂ダマスク西陣織紋織物

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

世界大百科事典 第2版の解説

どんす【緞子】

繻子(しゆす)組織を基本とした紋織物。段子,閃緞,鈍子とも書く。綸子(りんず)と異なる点は,機織前にあらかじめ染色した糸を用いて織りあげる先染(さきぞめ)の織物であること。一般的には経(たて)を五枚繻子組織とし,文様は地緯(じぬき)で,経の裏組織である緯の五枚繻子に織り出したものが多い。特色は,繻子織の特徴である光沢に富み,文様が地と異組織であることによって明瞭に表されている点にある。また経緯ともに共色のものもあるが,緯の色糸を替えることによって文様をより明確に織り出したものが多い。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

どんす【緞子】

〔「どん」 「す」ともに唐音〕
繻子しゆす織りの一。経たて繻子の地にその裏組織の緯よこ繻子で文様を表した光沢のある絹織物。室町中期、中国から渡来。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

緞子
どんす

段子、閃緞、鈍子とも書く。繻子(しゅす)組織を基本とした紋織物で、綸子(りんず)と異なる点は、機織前にあらかじめ染色した糸を用いて織り上げる「先染め」の織物であること。一般には経(たて)の五枚繻子組織を地として、文様はその裏組織である緯(よこ)の五枚繻子で織り出したものがもっとも多い。特色は、光沢に富み、文様が地と異組織であることによって明瞭(めいりょう)に織り出されることにあり、さらに経緯に異色の色糸を用いることによって、文様が明確に表される。
 緞子は『元典章』工部巻の一に「段子」の名が散見されるように、中国元代にはすでに織製されており、日本には繻子織などとともに中世に舶載された。後世それらのうちのあるものは「名物裂(ぎれ)」として伝えられ、珍重されている。しかしこれらの名物緞子類を通観すると、かならずしも繻子組織によっていないものが含まれている。たとえば、「珠光(じゅこう)緞子」の本歌(ほんか)といわれる松屋肩衝(かたつき)茶入の仕覆(しふく)、「笹蔓(ささつる)緞子」「荒磯(あらいそ)緞子」などがそれで、とくに名物緞子のなかでも古様なものほどその傾向が強い。おそらく当初は、地と文様が異組織、異色ではっきりと織り出された紋織物に対して、緞子の名があてられたものと思われる。
 しかし明(みん)代以降の繻子織物の隆盛とともに、この種の紋織物も繻子地を基本としたものが一般的となり、日本においても明代の織法をまねて天正(てんしょう)年間(1573~92)のころに織製され始めたと考えられる。京都西陣(にしじん)を主産地とし、江戸時代を通じて小袖(こそで)、帯、羽織裏、夜具地、袈裟(けさ)地として広く利用され、江戸時代末からは桐生(きりゅう)でも織製されるようになった。明治10年代から20年代には緞子の全盛期を迎えるが、その後は他の紋織物に押されて衰退し、現在では表具地や茶器の仕覆や袱紗(ふくさ)など、ごく限られた場でしか活用されていない。[小笠原小枝]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の緞子の言及

【織物】より

…また留学した禅僧たちが伝法印可のしるしとして師僧から授けられた伝法衣も,京都や鎌倉の禅の名刹に現存している。このように,いろいろな機会に舶載された唐綾,唐錦,金襴,緞子,印金,羅,紗,繻子,北絹などの裂類は貴顕の人々に珍重愛好され,また多くの人々の染織に対する視野をひろめ,ひいては日本の染織に刺激を与え,その発達に大いに役立ったのである。名物裂
[近世初期]
 中世末期から近世初期に隆盛した機業地は,京都のほか山口と博多と堺とがあった。…

【ダマスク】より

…広義では地と文が対照的な異組織をなす織物,たとえば中国漢代の平地綾や正倉院宝物中の染織に多く見られるような綾地綾文綾なども西欧ではダマスクと呼んでいるが,これらは後染(製織後に染める)の単色織物でこれを織る織機の構造も異なり,本来のダマスクに先行する織法である。名物裂の一種で中国や日本で織られた緞子(どんす)は,技法上ダマスクと同義語で,〈どんす〉の語自体〈ダマスク〉の音に由来するものと思われ,中世・近世における染織の東西交流の一端がうかがわれる。 素材は絹が中心であるが,麻,綿,毛や交織によるものなどがあり,用途としては,家具,窓掛け,服地,表装地,テーブルクロス,ナプキンなどがあげられる。…

【名物裂】より

…特に明代には室町幕府による勘合貿易をはじめ,大きな寺社あるいは西国の大名らによる対明貿易が飛躍的に増大し,数多くの染織品がもたらされた。なかでも金襴(きんらん),緞子(どんす),間道(かんとう)といった新しい織物技術や意匠は,当時の日本の染織界に多大の影響を与えるとともに,近世の織物の基盤となったものである。これらの染織品はその舶載当初においては,高僧の袈裟や武将の衣服,猿楽の装束,あるいは寺社の帳(とばり)や打敷(うちしき)として用いられたはずのものである。…

※「緞子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

緞子の関連キーワードサテンブロケード変化組織綸子三原組織ダマスク唐繻子紋織紋織物

今日のキーワード

カルテット

四重唱および四重奏。重唱,重奏の形態のなかで最も基本的なもので,声楽ではルネサンスの多声歌曲の形式であるシャンソンやフロットラから始り長い歴史をもつ。器楽も同様で,特に弦楽四重奏は室内楽の全レパートリ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

緞子の関連情報