日本大百科全書(ニッポニカ) 「三五八漬け」の意味・わかりやすい解説
三五八漬け
さごはちづけ
福島県の郷土料理で、会津地方の名物料理である。三五八の意味は塩3、米5、麹(こうじ)8の割合で混ぜ合わせたものということ。米を洗い蒸すか炊くかして飯をつくる。これをよく冷ましてから塩と麹を混ぜ合わせて、甕(かめ)などの容器に入れ密閉して一晩置くと三五八漬けの床ができる。これにナス、キュウリ、セロリ、ショウガなどを漬け込むには、三五八床に水少々を加えて容器に敷き、その上に野菜を並べ、またその上に三五八床というぐあいに数段重ね、重石(おもし)を置き翌日用いる。三五八漬けは寒中につくるものをよしとするが、他の季節にもつくる。なお、生野菜に三五八床をつけて食べることもある。
[多田鉄之助]