なす(読み)ナス

デジタル大辞泉 「なす」の意味・読み・例文・類語

なす

[接尾]
名詞に付いて、…のような、という意の連体修飾語として用いられる。「山なす大波」
名詞または動詞連体形の下に付いて、…のように、…のような、などの意を表す。
「くらげ―ただよへる時」〈・上〉
[補説]現代語では1用法だけであるが、古くは2のように、連用修飾語・連体修飾語のいずれにも用いられる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「なす」の意味・読み・例文・類語

なす

〘接尾〙
[一] 名詞、時には動詞の連体形に付いて、…のように、…のような、…のごとく、…のごとき、などの意で、連用修飾、または連体修飾に用いられる。上代東国方言では「のす」という形でも用いられる。語源的には、「似(に)す」、あるいは「成す」とも関係があるかともいわれる。
古事記(712)上「次に国稚(わか)く浮きし脂の如くして、くらげ那州(ナス)ただよへる時」
万葉(8C後)五・八一三「真珠(またま)奈須(ナス)二つの石を 世の人に 示し給ひて」
[二] 名詞に付いて、…のような、…に似ている、の意を表わして、次の名詞にかかる。「山なす大波」「玉なす汗」など。
人情本・貞操婦女八賢誌(1834‐48頃)初「絞るが如き生血をば、滝なす様(さま)に吐き出(いだ)し」

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