三俣〓華岳(読み)みつまたれんげだけ

改訂新版 世界大百科事典 「三俣〓華岳」の意味・わかりやすい解説

三俣華岳 (みつまたれんげだけ)

飛驒山脈中部,長野県大町市,岐阜県高山市の旧上宝村,富山市の旧大山町の境に位置する山。標高2841m。山頂の北は黒部川,東は高瀬川,南西は神通川のそれぞれ源頭部にあたる。山体は古生代末期の花コウセン緑岩で構成される。山頂付近には数個のカールが分布し,なだらかな地形を呈することから,氷期に高原氷河が発達していたと考えられる。夏には高山植物が多く咲き,ツキノワグマなどの動物も多数生息している。古くは越中側で鷲羽(わしば)ヶ岳と呼ばれ,北東に位置する鷲羽岳は獅子ヶ岳または東鷲羽ヶ岳と呼ばれていた。烏帽子(えぼし)岳から槍ヶ岳へ至る裏銀座縦走路の中央部に位置し,また薬師岳から立山への縦走路の基点ともなっている。山頂北東の鞍部に三俣山荘が,西の鞍部に黒部五郎小屋がある。山頂へのコースは岐阜県側の新穂高温泉から双六(すごろく)小屋経由,長野県側の湯俣温泉から伊藤新道経由,富山県側の折立(おりたて)から太郎平小屋経由などがあるが,いずれも2日がかりである。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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