三品正保(読み)ミシナ マサヤス

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「三品正保」の解説

三品 正保
ミシナ マサヤス


職業
平家琵琶(平曲)伝承

肩書
国風音楽会会長

本名
三品 保雄(ミシナ モリオ)

生年月日
大正9年 5月25日

出身地
愛知県 津島市

経歴
盲目で生まれ、4歳で琴を始めた。12歳の時、名古屋の佐藤正和検校から平曲を習い始め、昭和27年に検校となり、同年名古屋市、30年に愛知県の重要無形文化財指定を受けた。平曲280曲のうち「那須与一」「宇治川」など8曲を伝承。53年には中世叙事詩学会(ロンスボー学会)の招きで平家琵琶の演奏スペインで行うなど、幅広い活動をしていた。また、わが国屈指の伝統を持つ名古屋の邦楽演奏家の団体「国風音楽会」の会長を62年4月まで務め、後継者の育成にも努めた。

没年月日
昭和62年 8月16日 (1987年)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

20世紀日本人名事典 「三品正保」の解説

三品 正保
ミシナ マサヤス

昭和期の平家琵琶(平曲)伝承者 元・国風音楽会会長。



生年
大正9(1920)年5月25日

没年
昭和62(1987)年8月16日

出身地
愛知県津島市

本名
三品 保雄(ミシナ モリオ)

経歴
盲目で生まれ、4歳で琴を始めた。12歳の時、名古屋の故・佐藤正和検校から平曲を習い始め、昭和27年に検校となり、同年名古屋市、30年に愛知県の重要無形文化財指定を受けた。平曲280曲のうち「那須与一」「宇治川」など8曲を伝承。53年には中世叙事詩学会(ロンスボー学会)の招きで平家琵琶の演奏をスペインで行うなど、幅広い活動をしていた。また、わが国屈指の伝統を持つ名古屋の邦楽演奏家の団体「国風音楽会」の会長を62年4月まで務め、後継者の育成にも努めた。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の三品正保の言及

【平曲】より

…館山漸之進の末子館山甲午(こうご)(1894‐1989)が仙台にあって平曲の伝承・普及に力を尽くした。また荻野検校以来の伝統をもつ名古屋でも,箏曲家の井野川幸次(1904‐85),三品正保(1920‐87),土居崎正富(1920‐ )の3人が10曲ほどの前田流平曲を伝え,後継者育成のほかに,盲人音楽家にゆかりの深い弁天祭(5月第1土・日曜)や荻野検校の命日(6月22日)などに平曲を奉納する伝統を守った。以上の4人は記録作成等の措置を講ずべき無形文化財に指定されている。…

【前田流】より

…江戸中期に活躍した荻野検校は名古屋で譜本《平家正節(へいけまぶし)》を作り,これが前田流の正本として全国に広まった。名古屋には荻野検校の系統をひく井野川幸次(1904‐85),土居崎正富(1920‐ ),三品正保(1920‐87)が前田流を伝えている。なお,現在平曲の伝承は前田流のみである。…

※「三品正保」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android